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殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
6話 知りたくなかった絶望感(ディスペア)
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聞くと、ミレーナはケタケタと笑い出し、
 「不味いに決まってんだろ」
 と、言う。
 「これが美味いと言って飲めるカイさんや海彦さんの気が知れねーよ!」
 「じゃあなんで君は飲むの?」
 僕は目を半開きにし、ミレーナを睨む。
 「飲めばわかるさ。特に。苦労している私達からしてみればな」
 珍しく真面目な顔を見た気がして、僕はすごく興味深いと思えた。
 僕は彼女の部屋に行き、少量注いだビールを受け取る。
 「ほれ。飲んでみ?」
 これも本の引用だ。子供が子供でいられるのは先進国だけだと。最近では先進国だけになり、発展途上と言う言葉は歴史の言葉として伝えられているものだけになった。だからこそ、奴隷が必要なのかと思えることもある。
 恐る恐る口をつけ、ビールを飲む。
 確かに不味いこれを美味しいと言って飲める人達の気が知れない。
 「なんだ?カリヒ。左目から涙が溢れてるぜ」
 「え?」
 僕はそれを確認する。
 「本当だ?どうして?」
 頭のなかにこみ上げてくるこの感情は何なんだろう?僕はそれを鮮明につかもうと意識し左手を伸ばす。
 「カリヒ?」
 僕の伸ばした左手の手首をミレーナががっちり握る。
 「すまん。酔ったか?」
 僕は首を振って答える。
 「ねえ。ミレーナもういっぱいもらえるかな?」
 「ベロンベロンになってもしらねーぞ」
 「そうなったら介抱してくれ」
 「ませるなよ」
 この時に気がついた。もう1人の僕は“依存”で封じ込める事ができると。だから僕はその時から酒に依存し、煙草に依存した。すると、彼は出てこなくなった。例外は、人を殺した時に出てきて、人を殺せば消えるに変わっただけにすぎない。やたらと、変われ変われと言わなくなっただけだ。
 

 「久し振りだね」
 僕は洗面台の鏡を見てもう1人の僕に話しかけた。
 『何だ?お呼び出しか?それとも消えろとでもいいたいのか?』
 彼は乱暴に訴える。
 『ふざけるなよ!主人格は僕だ!僕が拷問を受けて!僕が主を殺した。君は信頼を得るために創った僕の紛い物だ!消えるのは僕じゃない!お前だ!この偽物が!』
 カリヒは歪んだ顔で僕を睨む。僕は恐らく彼に対して哀れみの顔を見せただろう。『拷問を受けていたのも、主を殺したのも僕だ』この言葉は嘘ではない。彼の口から出る言動はすべて嘘ではない。

 勘違いだ
 
 「ねえ。君は消えたくないのかい?」
 『当たり前だろ!僕が消えたら君は欲望を制御できなくなる。君はリーナを殺す。それだけは避けたいんだよ!』
 「ありがとう。それを聞けただけで嬉しいよ」
 僕は彼に笑顔で応答する。
 『なあ、君は何が目的なんだ?』
 震えた声で問う彼に僕は知識を振り絞り答える。
 「君はエアフレンドって言葉を知
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