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殺戮を欲する少年の悲痛を謳う。
6話 知りたくなかった絶望感(ディスペア)
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死体と接するのは僕にとって日常。僕が拷問されるのも僕にとっての日常。
 殺人は好きだ。一度スイッチが入ると、肉体が疲れ果てるまで衝動は消えない。
 リーナは、殺人スイッチの切り方を唯一知っている少女だ。

 
 目覚めたら、アパート内のベッドの上だった。気づくのにほんの3秒ほど時間がかかった。
 リーナはベッドの前の椅子に座りながら看病をしてくれていた。
 「カリヒさん。おはようございます」
 「リーナ。僕はどれくらい僕じゃなかった?」
 「どれくらい?ですか…そうですね。私達が駆けつけていた時点では、カリヒさんはいませんでしたし」
 「わかった」
 僕は自分の体に巻かれた包帯を解いた。
 「未だ駄目ですよ!」
 「いや、傷の確認だ。その後付け直す」
 「わかりました」
 僕はクロノスに突っ込んだまでの記憶はあるが、それ以降、思い出せない。と言うか無い。
 「左脇に軽い刺し傷。右肘に擦り傷。右の太腿から脛にかけて打撲傷。おっと。腹にも刺し傷が」
 僕はこれだけ確認して包帯を巻こうとする。
 「手伝いますよ」
 「ありがとう。いつもバックアップしてくれて。君がいなかったら、僕はサイボーグ戦で死んでたし、今回だって…」
 リーナにお礼をいうと、彼女は唇を指で塞いできた。
 「これは言わない約束です。私の命だって、何度もカリヒさんに助けてもらっていますし、カリヒさんの事を心の拠り所にまでしています。お互い様なのに、自分だけ礼を言うなんて卑怯ですよ」
 「わかった」
 

 突進してくるカリヒ。クロノスは目の前に居る敵が誰かわからなくなった。
 さっきカリヒが投げてきたナイフを手に持ち、猛進する少年を闘牛のように左側に回避し、右手のナイフをボディブローの用量で突き刺すが、カリヒは左手を上から叩きつけ、威力が激減した。刺さったには刺さった。通常の人間なら出血して目眩がするはずだ。しかしカリヒは先ほどクロノスがやったように筋肉で止血をした。
 「バケモノかよ!」
 カリヒはそのまま左ハイキックを繰り出し、クロノスの後頭部に直撃させる。クロノスは堪えながら倒れると同時に前宙し、踵落としを打ち込む。彼はそれを回避し、クロノスと距離を取る。
 カリヒは足を曲げた側転をしてクロノスの左面に回りこみ今度は右ミドルキックを繰り出す。
 クロノスは辛うじて回避した。
 そしてクロノスは反撃のナイフを投げつけるが、彼は投げナイフは専門外もいいところ。カリヒにダメージを与えることなど出来なかった。
 クロノスはその時、死を覚悟した。
 これは恐怖という生易しい単語などではない。やることなすことが通用せず、自分の得意である戦闘ポジションをすべて潰されたのだ。これは絶望の言葉でも安易に表せないくらい複雑な劣等感だった。
 カ
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