第3話 嵐の予兆
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「マスター…本当に申し訳ありませんでした。」
俺とミクが買い出しから家に帰ると、ミクは突然そう叫んだ。
《別に気にしなくてもいい》。そう言いたかったが、言えなかった。ミクが大粒の涙を流していたからだ。きっとミクはこのセリフを絞り出すのに必死だったんだと思う。こいつ本当にアンドロイドなのだろうか…いや、アンドロイドだからこそか。きっとまだ、俺のことを警戒してるんだと思う。まぁ出会って半日ぐらいだし。
俺はとりあえずミクの頭を優しく撫でる。本当は優しい言葉の一つでもかけてやればよかったのだが見つからなかった。ミクが嫌がらなかったのが唯一の救いか。
「とりあえずシャワー浴びてこいよ。その…汚いままじゃ
嫌だろう。」
「お言葉に甘えさせていただきます。」
そう言うとミクは逃げるようにお風呂場に走っていった。きっとミクも今日のことが恥ずかしかったのだと思う。ところで、俺風呂場の場所なんておしえったっけか。
そんなことを考えているとどこからか大声で叫びながらミクが走ってきた。
「そういえばハァハァ…お風呂場何処ですかハァハァ…?」
「とりあえず落ち着け。あっちだ。」
ほら見ろ。完璧なアンドロイド《笑》のくせに随分と天然なようだ。えらい勢いで走ってきたのか顔が真っ赤になっている。なんか可愛…
「なぁに見てるんですかマスター?」
「まさか、私の可愛さに萌えちゃったとか??」
何核心ついてんだよ。こいつの心の声もよく漏れるけど
俺の心の声も漏れてるんだろうか…
「早く行かないと飯食っちまうぞ。」
「マスターのいじわるぅぅぅ??」
ちょっと動揺した俺はなんとかごまかしてみる。これが中々効いたようで、ミクはドタバタと風呂場へ走っていった。
今日はミクにとって散々な1日になったけど…
「…元気そうでよかった。」
そう呟くと俺はパソコンのあるリビングに向かった。
マスターに勧められてわたくし初音ミク、シャワーを浴びています。はぁぁぁ…キモチィィィ…
シャワーを浴びながら私は今日のことを考えていた。怖い体験をしたはずなのに思い出すのは何故かマスターのことばかり。私を助けてくれた時のマスター…
「かっこよかったなぁ…」
すると突然、シャワーのお湯が水になった。この家実はオンボロだから、風呂のボイラーもきっとオンボロだったのだろう…って??
「ちめたぁぁぁい??」
ただ、この冷水が私を現実へと戻してくれた。
「ちょっと何で私がマスターに恋してるみたいになってるのよ。私もどうかしてたわね…」
私がお風呂から出ると、そこには私の着替えと思われるものが置いてあった。だけどこれ…明らかに布の面積が小さい。ブラに至っては紫色だし。
「この服…マ
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