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レインボークラウン
第二百九十四話

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              第二百九十四話  試しに
 梨花は早速自宅の庭に法衣を着て出た、勿論その手にはステッキがあるしピエールとジュリエッタも一緒だ。
 そのうえで杖から魔法で石を出して飛ばしてから言った。
「これをね」
「はい、よりですね」
「レベルアップして使われたい」
「そうなのですね」
「そう、もっとね」
 実際に使ってみての言葉だ。
「石も大きく沢山」
「今のは試しで一個ですが」
「それをですね」
「もっと出して」
 そしてというのだ。
「激しく使いたいのよ、それとね」
「それと?」
「それと、とだ」
「地割れね」 
 これもというのだ。
「使える様になりたいわね」
「あの、地割れは」
「あの魔法はです」
 その魔法のことを聞いてだ、ピエールもジュリエッタもその顔を強張らせて言った。口調にもそれが出ている。
「小学生の使う魔法としては」
「かなりレベルが高いので」
「ですからご主人様でもです」
「難しいと思いますが」
「難しいからこそよ」
 そうした魔法だからというのだ。
「私も使いたいの」
「そこまでの域ですね」
「達することを望まれているのですね」
「そう、だからね」
 使い魔達にさらに言った。
「地割れが使えるまでになってみるわ」
「ではこれから」
「こうした夜にですね」
「毎日勉強され」
「地割れまで達されますか」
「それを目指すわ」
 こう言ってからだった、梨花は自分の魔法である土のそれを二時間程休まず使い続けた。そして全身汗だくになったところでこう言った。
「今日はね」
「はい、これまでにしましょう」
「お疲れ様でした」
 使い魔達に主にすぐに言った。
「後はお風呂に入られ」
「休まれて下さい」
「宿題と明日の予習、今日の復習をしてからね」
 梨花は学業のことは忘れていなかった、そして実際に入浴の後は勉強をしてそのうえで明日の時間割通りに教科書とノート、筆箱をランドセルに入れてそれから寝たのだった。


第二百九十四話   完


                             2015・11・28
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