第1章:平穏にさよなら
第25話「再会」
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朝の分は足りるかな。」
「あ、お兄ちゃん、手伝うよ。」
優輝と緋雪はいきなりそそくさと台所の方へと行ってしまった。
「....気を遣ってくれたみたいだね。」
「...そうね....。」
優輝と緋雪は積もる話があるであろう私達だけにしてくれたらしい。
「.....いい主が見つかったね。」
「そ、そんな事ないわよ...。まだ、子供だし....。」
「....あれ.....?」
照れ臭そうに言った私を見て、何かに気付いたのか疑問の声を上げる薔薇姫。
「.....へぇ〜....。」
「な、なによ....。」
意地の悪そうな笑みを浮かべる薔薇姫に嫌な予感を感じる。
「いや、別に...?なんでもないよ。」
「う、嘘よ!明らかに私と優輝を交互に見てたでしょ!」
ああもう!こいつの考えている事が大体わかったわ!分かってしまう程分かりやすい私にも問題はあるけど!
「大丈夫!あたし、かやちゃんの事応援してるから!」
「っ〜...!このっ....!」
瞬時に弓と矢を霊力で創りだし、放つ。
―――ドッ!ポン!
「ハッ!?偽物!?」
頭に命中したものの、煙のように薔薇姫の姿が消える。
「....あら?」
薔薇姫がいた場所を見ると、勾玉が一つ落ちていた。
〈あはは....まだまだ魔力不足だから自然と勾玉になっちゃった。〉
「...なにやってるのよ...。」
〈とりあえず霊力で戻るから.....っと。」
光に包まれ、また薔薇姫の姿になる。
「一応、以前からある魔力と霊力でも補えるんだけど、やっぱり異世界の魔法に使われる魔力の方が効率がいいみたい。...まぁ、大気中の魔力を吸収してるから関係ないけど。」
薔薇姫が使っていた魔力は、大気中にある魔力を使うのが主で、優輝たちの魔法の場合は体内から生成する感じで、結構違ったりするらしい。...優輝の場合は普通に大気中の魔力も使ってるから関係ないんだけどね。
「はい、二人共できたよー。」
「簡単なものしか作れなかったからそこは勘弁してね?」
優輝と緋雪が朝食を持ってきた。...余り物でご飯と味噌汁を作ったのね。
「久しぶりの味噌汁だ〜!」
「...そういえば、久しぶりね...。今までは山菜とかだったし。」
ちゃんとした食事にありつけた日なんて、人里離れてからは数えるほどしかないわね。
「具が少ないけどね...。...っと、僕も緋雪もまだ着替えてなかったよ。」
「食べてからでいいんじゃない?」
「そうだね。」
とにかく朝食を食べる事にした。
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