第12話「えんそく」
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れて行く。...まぁ、由紀を誤魔化すためにカゴに入れてるだけだから実質意味はないけどな。
「...うん。これだけあればいいだろう。」
「ねえねえ!服も見に行こうよ!」
今いる場所に行くまでに通りかかったあそこか?
「まぁ、いいだろう。...いいよな?」
「ええ、いいわよ。」
他の皆も賛成のようだ。...ま、女性って服には目がないからな。
「...俺もいくつか貰うか。」
服にもバリエーションがあった方がいいしな。
「ふぃ〜、買った買った。」
胡桃が満足そうにそう言う。あまり多くは買う事ができなかったが、それぞれ一着ぐらいは買ったようだ。...なぜか水着も買ったけど。
「...で、お前はそこが定位置か。」
「わん!」
太郎丸はと言うと、由紀のバッグから顔出すようにすっぽりと収まっている。
「さて、次が最上階だな。」
「...誰かいるといいのだけど...。」
覚悟を決めて、最上階への階段に踏み出す。
「....これは....。」
「荒れてるな...。」
五階に着いた途端散乱しているダンボール箱を見つけてしまう。...おそらく、バリケードに使われていたのだろう。
「...とりあえず、行こう。」
とにかく探索に入る。....五階と言うだけあって、奴らの数も相当少ない。...が、心なしか四階より多く感じる...。
「わん!わん!」
「わわっ、太郎丸、どうしたの?」
突然ある方向に向かって太郎丸が吠える。
「ちょ、黙っててくれ...!」
「わん!わん!」
奴らに気付かれ、何体かが接近してくる。
「...なにかいるのか?」
「おいおい...不吉な事言うなよ...。」
動物の本能は凄まじいからな。吉と出ればいいが...。
「とにかく、ここから離れよう。」
「わかったわ。」
その場からダッシュで離れる。
「わぁ!映画館だぁ!」
探索中、映画館を見つけ、由紀が歓喜の声を上げる。
「...中に誰かいるか?」
「いや、望みは薄いだろう。...まぁ、確認してくる。」
はしゃぐ由紀を窘める悠里と先生を余所に、胡桃と相談し、俺が様子を見に行く。
「....ここもダメか。」
どこもかしこも奴らに襲撃を受けたのか、扉が放置された状態になっている。
中を音を立てないように覗くと、中にも奴らがいたので、生存者はいないだろう。
「...ここだけロックが掛かってるな。」
一つだけ棒でロックされていた。...しかし、外側からだ。
「....だろうな.
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