第12話「えんそく」
[2/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たかもしれない...と。いくらパンデミックだからって、保守的に動かず、動いていれば...と。何度も、そう思った。
「(まだだ....まだ、モールにきっと....。)」
モールにまだ生き残りはいるはずだと、俺はそう思って車を運転し続ける。
「....!ストップ!!」
「えっ!?」
「わわっ!?」
キキーッ!と、後ろで車が停まる。気になったので、俺も車を停めて、後ろを見てみる。
「(....なんだ....?)」
車内で何か会話しているようだが、よく聞こえない。しばらくすると、胡桃だけ車から出てきた。...俺も気になるので、一度車を降りる。
「胡桃、どうしたんだ?」
「あ、遼。...ちょっとな...。」
胡桃はそう言って視線を逸らす。
その視線の先には....。
「“恵飛須沢”....なるほどな。」
一つの一軒家の表札を見て、納得する。
「....ほら。」
「ん..?ライト?」
「中を見てくるんだろ?外は明るくても、中は暗いかもしれないからな。念のためだ。」
「....サンキュ。」
胡桃も色々思う事があるのだろう。危険だけど、一人で行かせる。
俺は待ってる間に奴らが来ないか見張っておこう。
「....っと、出て来たか。」
家から胡桃が出てくる。...あまり元気なさそうだな。
「お帰りー。」
「おうー。」
「あ、お帰りって変かな?家からお帰りって。」
「いんじゃね?...ただいま。」
由紀と胡桃のそんな会話を聞きながら、俺も運転席に戻る。
「よし、再出発だ。」
エンジンをかけ、再び俺たちはモールへと向かった。
「....見えた。」
モールが見えてきた。あまり奴らも見当たらなくて助かった。
「移動にそこまで手こずらなくてよかった。」
奴らの数が多かったら一日で辿り着けなかったかもしれないしな。
「どうだろ?誰かいるかな?」
「避難するならここよね...。でも....。」
車を停め、降りてきた胡桃と悠里がそんな会話をする。
「由紀ちゃん、先に行っちゃダメよ。」
「あ、はーい。」
先に行こうとした由紀を先生が停める。
「わ、暗い。...休みかな?」
「ドアは開いてるな。」
本当は電気が止まったから暗いのだが、胡桃が話を合わせる。
「...ん?悠里、なんだそれ?」
「そこに落ちてたの。」
「館内案内か....。」
悠里が拾った紙切れを覗いてみると、ただの館内案内だった。
「...今日はイベントみたい
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ