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ぶそうぐらし!
第12話「えんそく」
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たかもしれない...と。いくらパンデミックだからって、保守的に動かず、動いていれば...と。何度も、そう思った。

「(まだだ....まだ、モールにきっと....。)」

  モールにまだ生き残りはいるはずだと、俺はそう思って車を運転し続ける。

「....!ストップ!!」

「えっ!?」

「わわっ!?」

  キキーッ!と、後ろで車が停まる。気になったので、俺も車を停めて、後ろを見てみる。

「(....なんだ....?)」

  車内で何か会話しているようだが、よく聞こえない。しばらくすると、胡桃だけ車から出てきた。...俺も気になるので、一度車を降りる。

「胡桃、どうしたんだ?」

「あ、遼。...ちょっとな...。」

  胡桃はそう言って視線を逸らす。
  その視線の先には....。

「“恵飛須沢”....なるほどな。」

  一つの一軒家の表札を見て、納得する。

「....ほら。」

「ん..?ライト?」

「中を見てくるんだろ?外は明るくても、中は暗いかもしれないからな。念のためだ。」

「....サンキュ。」

  胡桃も色々思う事があるのだろう。危険だけど、一人で行かせる。
  俺は待ってる間に奴らが来ないか見張っておこう。





「....っと、出て来たか。」

  家から胡桃が出てくる。...あまり元気なさそうだな。

「お帰りー。」

「おうー。」

「あ、お帰りって変かな?家からお帰りって。」

「いんじゃね?...ただいま。」

  由紀と胡桃のそんな会話を聞きながら、俺も運転席に戻る。

「よし、再出発だ。」

  エンジンをかけ、再び俺たちはモールへと向かった。







「....見えた。」

  モールが見えてきた。あまり奴らも見当たらなくて助かった。

「移動にそこまで手こずらなくてよかった。」

  奴らの数が多かったら一日で辿り着けなかったかもしれないしな。

「どうだろ?誰かいるかな?」

「避難するならここよね...。でも....。」

  車を停め、降りてきた胡桃と悠里がそんな会話をする。

「由紀ちゃん、先に行っちゃダメよ。」

「あ、はーい。」

  先に行こうとした由紀を先生が停める。

「わ、暗い。...休みかな?」

「ドアは開いてるな。」

  本当は電気が止まったから暗いのだが、胡桃が話を合わせる。

「...ん?悠里、なんだそれ?」

「そこに落ちてたの。」

「館内案内か....。」

  悠里が拾った紙切れを覗いてみると、ただの館内案内だった。

「...今日はイベントみたい
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