第5話 男のロマン
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しかないので、百代は唸るしかない。
「まぁ、興味が出たのなら、これからもっとエンカウントして行けばいいで候」
そう、少なくとも高校卒業まではあと1年間あるのだから。
−Interlude−
放課後。
士郎は今、料理部が部室として使っている家庭科室に来ていた。
士郎は料理部の部員でもないのだが、一週間の内の何処か一日だけ放課後の家庭科室で料理を教えている。
しかし今此処には、士郎以外にも料理部部員以外の生徒もいた。
今日もこの時間帯に集まれる、川神学園の中で普段からよく料理をする生徒達だ。
その中には準と、2−Fの委員長である甘粕真与の姿もあった。
甘粕真与の学生服の上に、ピンク色の花柄がふんだんに散りばめられたエプロンだ。
甘粕真与は、慣れた手つきで調理していく。
それを少々離れた地点から見ていた準と言えば――――。
「ホントいいよなぁ〜〜〜。ハァ、ハァ」
あまりの可愛さと、目を細めながら呼吸も荒く周りはドン引き状態だ。
しかし、そんな自分を止める存在が真後ろに来てる事など、準は気づかずにいた。
「痛ぇっ!誰だ人の頭を叩い――――し、士郎さん・・・」
頭をはたかれた準が反射的に後ろをを向くと、むすっとした士郎が立っていた。
「準。今此処に来てる皆は、自分の調理技術を向上させようと真剣に取り組んでいるんだ。真面目にやる気がないなら、今日はもう帰れ」
「す、すんませんす!」
準は、士郎の説教に謝罪をして調理に戻る。
ロリコン部分以外は基本的に常識人なので、士郎の正論に素直に頭を下げた。
士郎は、此処に居る生徒の皆が調理技術の向上のために参加していると思っている様だが、一部の生徒はそうでは無い。
「衛宮先輩、此方は如何したらいいでしょうか!」
「衛宮先輩、これの焼き加減を見て欲しいのですが!」
「衛宮先輩――――」
「衛宮先輩―――」
「衛宮先輩――」
「衛宮先輩―」
士郎に構ってもらうには、それ相応の理由がいる。
理由がないなら作ればいい。
士郎に構って欲しい、またはお近づきになりたい生徒は、今迄料理などしたことも無かったが、理由を作るために始めたのだ。
そんなこんなで調理技術への向上心が純粋であるか否かは置いといて、士郎はこの教室を開くたびに引っ張りだこだった。
こうして一見すれば、士郎は既にハーレムを形成している様に見えなくも無かった。
だが客観的に言わせてもらえば、今日も何時も通りだった。
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