第5話 男のロマン
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」
「引っ掛けたのか?」
「引っ掛けたのではなく、確認だ。衛宮は普段は判りづらいのに、恋愛方面になると露骨に解りやすくなるからな」
「・・・・・・日々の人間観察の成果か」
「まぁ、そう言う事だな」
知的好奇心を満たすために、日々人間観察をしている京極からすれば、士郎はある意味では最も面白い存在だった。
その為、学校内では普段から士郎と行動を共にしているのだ。
そんな2人を見下ろす視線が有った。
そこは3−Fの教室。
今の彼らは別の授業をしているのだが、担当の教師が体調を崩しているので課題を出した自習となっている。
そしてその自習のクラスで士郎と京極を見下ろしているのは、窓際に席のある百代だった。
「百代、何をボーっとしてるで候」
そこに、自習中の課題を終わらせた真横の席に座っている矢場弓子が、百代に声を掛けて来た。
「ん?いや、3−Sのスポーツテストを眺めてただけだ」
「百代の射程範囲を逃れた女子生徒が、3−Sにまだいたで候?」
「いんや、脈ありは全部落としたさ。――――私が見てたのは衛宮の奴だ」
百代の答えに弓子は怪訝さを露わにする。
百代と士郎では強さへの執着は正反対だ。
その理由から、それなりにイケメンかつかなりの高スペックでも、士郎を男としては見れないと以前に語っていたのを覚えているからだ。
「遂に衛宮を男として見るようになったで候?」
「飛躍し過ぎだぞ?ユミ・・・」
「ならどうして今になって衛宮に注目するで候?期末テストでの赤点回避や借金の肩代わり位しか関わろうとしなかった百代が・・・」
「それがな――――」
百代は昨日の夕方の話をする。
「そんな事があったで候」
「ああ・・・・・・って言うかあんまり驚かない所を見ると、ユミは衛宮の強さを把握してたのか」
「全て知ってるわけではなかったで候。私が知ってるのは弓道部部長として見て来たものと、衛宮が10歳の頃に天下五弓に選ばれたが即座に話を蹴ったと言う事ぐらいで候」
「何!?衛宮が天下五弓?それも蹴った!?」
弓子の話に驚く百代。
そんな話は今まで聞いた事も無く、寝耳に水だったからだ。
「百代が驚いていることに私は今、驚いているで候。川神院の一族なのだから知っているモノかと思ったで候」
「聞いてないぞ、爺ぃぃ・・・・!!」
百代は理不尽と捉えたのか、無意識に殺気をばら撒いて行く。
一番近くに居た弓子は既に2年もの間同じクラスだったので、この程度のさっきには慣れていた。
慣れていない者は恐怖に震えあがっているが。
「衛宮は百代とは考え方が逆だから、黙っていたのではないで候?」
「むぅ・・・」
弓子の言葉に自覚
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