7部分：第七章
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第七章
「今一緒になれたわね」
「そうだね。今ね」
「ええ、今」
まさにそうだった。今やっと一緒になれたのである。
「ずっと気が晴れなかったけれどそれでも」
「それでも？」
「今は満足してるわ」
「そうなんだ」
「雄大君はどうなの？」
こう彼に顔を向けて問うてきた。
「今はどうなの？」
「そうだね」
彼は一呼吸置いてから里香のその言葉に応えた。
「僕もだよ」
「そう、やっぱりそうなのね」
「やっと一緒になれたからね」
微笑んだ顔を里香に向けての言葉だった。
「だからね」
「そうなの。それでなのね」
「うん、本当にやっとだよね」
「全くね。色々あったけれど最後はこうして一緒になれたから」
「いいよね」
「そうよ、いいわ」
里香もにこりと笑っていた。
「最後は一緒になれて」
「いいよね」
「ええ」
雄大の言葉にも頷く。
「じゃあこれから二人で帰ろうか」
「うん、二人でずっとこの席にいましょう」
「そうだね。ねえ」
雄大から声をかけてきた。
「修学旅行どうだった？」
「楽しかったわ」
里香はそのにこりとした笑みで雄大の言葉に答えた。
「今最高に楽しいものになったわ」
「そうだね。途中やきもきしたけれどね」
「最後はね」
「そうよね。最後さえよかったら」
「じゃあ。最後はずっと一緒にいよう」
里香に顔を向けての言葉だった。
「ずっとね。それでいいよね」
「うん、じゃあね」
こう話してだった。里香はその手をそっと出してきた。そしてその手で。
「あっ・・・・・・」
「こうしていいわよね」
微笑みになって雄大に問うてきた。
「これ位はいいわよね」
「悪い筈ないじゃない」
これが雄大の返答だった。
「だってね」
「そう、いいのね」
「うん、それじゃあね」
手と手が重なり合う。里香の手が上から雄大の手を握っていた。そうしてそのうえでだ。声もまた彼に対して重ねてきているのである。
「こうしてね」
「一緒にいよう」
二人で笑顔で横に並んでいた。二人は今やっと心を重ね合わせることができた。
そして周りもこっそりそれを見てだ。温かい目で言い合うのだった。
「やっと一緒になれたな」
「全く。二人共要領悪いんだから」
「それにバレバレだったし」
「本当にね」
実は皆わかっていたのである。
「もう仕草とかでわかるって」
「それで気付いていないって思ってるのがね」
「もう痛いっていうか鈍感っていうか」
「合わせる方が大変だよ」
「下手な演技はできないし」
こう話しながらその二人をこっそりと見る。そして先生もいた。
「まあそう言ってやるな。最後は気を利かしてやったんだからな」
「先生も粋ですね」
「だから最後は皆
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