Lost Memories
プロローグ
2 星屑ヶ原と金髪の少女
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、何も思わないのだろうか。と、不思議に思う。
「私の表情が変だ。そう思ったのね」
考えていたことをずばり当てられてしまった。どうしてだろう。顔に出てたかな。
「ええ。凄くわかりやすいのは確かね」
……!?
え、僕まだ何も言ってない。
「そうね。でもまあいい。気にしないで」
気にしないでって。
……ああ、なるほど、そうか。テレパシー的な何かで僕の心を読み取ってるんだな。こういう能力を持った人って、絶対に居ると思ってたから、気付いてしまえばそこまで驚きは無いかな。
「順応性は高いか。未知なる出来事に憧れるだけのことはある……夢見る少年ね」
僕って正直、あまり驚かないんじゃないかな。この世のほとんどのミステリーやらオカルトが、実際に存在すると思って生きてるから。
「そう……。さっき、あなた。『恒星が大きくなっていないか』と思ったみたいね。でも、違う。そうじゃない。あの恒星……ベガをご覧なさい」
あ、流した。まあいいか。
僕は言われるがままに、東に煌めいているであろう「ベガ」の方を見る。
驚いた。
「え……あれって」
「そう、この星に近づいている」
ふぇ。
「えええええ!? それって一大事じゃん! どうしよう早く逃げないと……」
「何処に逃げても、未来からは逃れられない。っていうかこれには驚くのね」
当たり前でしょう、命の危機だよ? 何でそんな落ち着いた呆れ顔してるのさ!
恒星が丸々この星に向かってるなんて……。
「正確には、未来が降ってくる。この星、そして、宇宙を救う」
わけがわからないよ! 塵になったらオジャンだよ!
「ふふ。驚いている顔が見たかった。大丈夫だから。ここに居れば、ね」
「それってどういう――」
「さあ、来る。私は去る」
え、ちょっと、置いてかないでよ。
束の間。彼女は目の前から姿を消していた。逃げ足早すぎ。
って、恒星がもう目の前に来てる……!?
肉眼で見えるほど、迫ってきてる……。
一寸先……考えられない。
ああぁ、真っ白だ。
恐怖が、身を、たくしあげてくる。
とても恐ろしい光を放ちながら、間近まで近づいてきたその星は、美しさすら感じた。
まるでこれが、一つの運命かのように。
――星は落下した。この、星屑ヶ原に。
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