第八章 再会
第三話 ぼくの背中を
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結局、処遇は決まらず風間隊が管理するはめになって不愉快な話だ。
風間さんとユウが頭脳はとして何やら皆で会議をするらしい。
その一時間前にユウとぼくは作戦室でコーヒーを飲んでいた。
ユウはココアが良かったらしく、しかめっ面をしているがどうでもいい。
本気でどうでもいい。
「お前、可憐が好きなわけか」
いきなりふられた話がいきなり過ぎて、次はこちらがしかめっ面をする。
無視されたが。
「言う必要ない。もしそうならライバルだね。
おじさんに負ける気はないよ」
おじさんでまちがいない。死者なら歳は明らかにあちらが上だ。
見た目は25ぐらいで若い。
脳の柔軟性もだいぶ若い。
正直おじさん要素などない。
ただ、目付きが風間さんに似ててウザイ。
「なら俺の敗けだな」
「なにそれ。可憐を捨てたわけ?プレイボーイ?」
「大したこと言うな。
例えばあんたの風間さんが死んで、死ぬ前の風間さんが会いに来たら受け入れられるか?
それを風間さんとして。」
ぼくは想像したくないが想像してしまった。
過去の風間さんが戦う姿や叱る姿を。
しかし、それはどれもこれも大切な風間さんとは何か違う。
そうか、自分の風間さんが死んだら、過去も未来も関係無いんだ。
「わかったか。
あいつは俺をユウとしては見てない。
今、必要なのはお前みたいなやつだ。」
「でも、物語の登場人物だよ。ぼくは。」
「はぁ・・・可憐好みのやつがいるのになんでうまく行かないのかと思えば・・・
考え方が似てんだな、お前ら」
似てない。可憐は手を出すのが早いけど、ぼくは口だし。
第一に腐には全く興味ないし。
「可憐が言ってたぜ。
自分ら来たことによって、世界が歪んだ。
登場人物があるべき行動以外をするようにな。
それは世界が歪んだお陰で出来たあんたらに与えられる人としての自由だ。
物語に縛られずにな。
そのお前がせっかくの人としての自由をそれで自ら縛るな。言いたいこと、わかるか?
それと・・・
如月可憐は押しに弱い!!」
この人、頭はいいのだろう。多分。
しかし、この人は話す度に変態なのではないかと疑いたくなる。
「あいつは怖がりなのさ。
あんたらを失いたくないから、過去を見てあんたらから距離を置いてるんだ。
その殻を破くのは菊地原の役目だろ」
変態でもいい人だ。
可憐の彼氏ってだけで嫌いだったけど、今ならなんとなくいられる気がする。
この人を受け入れられる気がした。
その時、不意に思い出した。
ユウの声に聞き覚えがあったことを思い出したからだ。
「ねぇ、夢ってみる?」
「あるだろ、普通に。どうした」
「夢に来たことない?声を聞いたことあったから。
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