第八章 再会
第二話 君の彼
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「えっ・・・私、話すの苦手で。
伝えるのダメで・・・あぁもう!!
私がトリップした時からでいいですか!!」
可憐は風間さんにフォローされながら話し始めた。
トリップした日のこと。
風間隊であるぼくらに可憐の彼氏の魂の欠片の付着。
簡単にいうとぼくらが魂の共有者に変化しつつあること。
四塚市の魔法を利用した門の出現。
アフトクラトルが攻めてきた際に現れた黒トリガー。
ざっとこれぐらい。
「それと、私がこの世界で生まれたこと。」
それは初耳だった。
可憐は生まれも育ちもこの世界ではないとばかり考えていた。
まさか生まれは三門市だったのか。
「それ、お前の推測なしの説明だな。
今のその話でわかることはいくつかあるさ。
それよりまずは俺だな。
簡単に言う。俺は可憐・・・お前が手をかけたユウじゃない」
「・・・同じであって違う時間軸から来たの?」
「似たようなもんさ。
未来を変えるために手をかけられる前に、俺は俺自身に念じたんだ。
お前が無事であるように・・・
消滅の数日前の俺に消滅時の記憶をとばして」
「あなたは消滅する前のユウ・・・?
確かに年単位じゃなきゃ、記憶ならある程度飛ばせるけど。
魔法使いの協力なしにまず、世界は飛べない。魔法使い・・・?
あ、クレアか。」
誰も言わないの?
無事であるように?
その言葉の意味がわからない。
その言葉を言った時のユウの心音は異常に動揺していた。
「可憐、落ち着いて聞け。
俺はお前にあった日から、お前があの世界の人間ではないことも、お前が斬られるも知っていた。
この世界に来ることすら。」
可憐の心音は動揺と恐怖で満ちていた。
それもそうだ。
彼は自分ははじめから犯人を知っていたという発言に近いことを言ったのだから。
「あなた、私の敵だったの・・・?」
その問いがされた際なぜかユウはぼくを見た。
憐れみの目で。
「違う。俺はお前があの世界に飛ばされたのを偶然目撃したんだ。」
ぼくは思い出して思わず立ち上がりかけた。
前に男が子供を抱き抱えて叫ぶ夢を見た。
あれはこの男の記憶だったのではないか。
ぼくはそれを過去夢と言うのを知らなかった。
「その日からお前の未来を大雑把に魔法使いに頼んでみてもらったんだ。
守りたかったんだ。
未来を知ることで変えられる未来なら・・・
でも変えられなかった。
だからこんな邪道な手しか使えなかった。
過去の自分に世界を渡らせ、お前が来る時に会えるようにするしか」
ぼくは・・・可憐のためにそこまで出来るだろうか。
あの男には勝てないのだろうか。
いや違う。あの男に勝てることを目標にするより、可憐に愛されればいいだけの話。
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