予想外
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
ないことになっているんだ。
だから戦う人間としては1秒でも早く彼の動きを見切って回避しながら次の対応をしないといけないんだ。入りが遅いからって油断してるとスピードとパワーで一瞬でやられてしまう。
「だったら・・・」
レオンは一か八かといった感じなのか、頬を膨らませて体を少し捻らせる。
「そっちがそれで来るなら・・・」
ここはどのくらいの差があるのかを見るために同じ魔法で対抗する。
「氷神の・・・・・怒号!!」
「水竜の・・・咆哮!!」
ほとんど同時に放たれたブレス。ただしその後の行動は俺とレオンは違った。
レオンは力を込めるために放ったままの体勢で留めているのに対し、俺はブレスを吐き出しながらも体を地面にくっ付けるように倒れ込む。
「「はあああああっ!!」」
両者共に目一杯の力を振り絞っていることもあり均衡しているように見えた。だが、やはり真っ向対決では勝てるはずもなく無情にも水のブレスははね除けられてしまった。
「やばぁ!!」
氷の波動が向かってくるのにすぐさま反応して頭を抱える。彼のブレスは地面にうつ伏せになっている俺のわずか数センチほどを通っていった。
「危なかったぁ・・・」
とりあえず一安心といった感じに立ち上がる。今回のは作戦勝ちといっていいとだろう。ブレスを下からぶつけることでわずかながらに軌道を修正して地面にピッタリと張り付いているその上を通過させる。
予想よりもギリギリだったから怖かったけど、結果的には成功したからよかったよ。
「すごいな、シリル。頭いいじゃん」
「まぁね」
俺の作戦に感心しているレオン。俺はそれにちょっとドヤ顔になりながら答える。
最初はこんなパワーの持ち主にどうやって戦うのかと思っていたけど、意外と渡り合えることに気付いた。真っ向からの戦いは厳しいけど、自分の持てる力を最大限に活用すれば勝てない相手ではない。
自信にも似た感覚から、次第に心に余裕が持てた俺は思わず笑みをこぼしていた。
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ