予想外
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を取ることにも成功。そこから指先に水を多く纏わせる。
「砕牙!!」
水の爪がレオンの胸を引っ掻く。そこまで深くは入ったような感覚はなかったが、それなりのダメージを与えることはできたはず。その証拠にレオンは顔を歪め痛そうにしている。
「氷神・・・・・」
だがそれでも彼は挑んでくる。体を大きく回転させながら足に魔力を纏わせて。
「氷結!!」
足から雪山のような冷気を発しながら回し蹴りを繰り出すレオン。
「よっ」
「!!」
その蹴りも俺は力の流れを見て軌道を計算してギリギリのところで上体を反らせて回避。そのまま顔に上体を戻す力を利用しつつ頭突きを喰らわせる。
『これはどういうことだぁ!?グラシアンとソフィアを倒したレオンの攻撃が全く当たらない!!まるでシリルたんが彼の思考を把握しているかのように軽々と避けているぞぉ!?』
魔水晶ビジョンから驚きを隠しきれないチャパティさんの声が聞こえてくる。たぶんマスターたちも驚いているだろうな。だってグラシアンさんをあそこまで弾き飛ばしたパワーと俺の雲竜水を楽々返したソフィアの返し魔法をあっさりと打ち破ったレオンの力を考えるとラクサスさんやグレイさんたちよりも劣勢になると考えるのが普通だ。
だけど残念ながら俺にはレオンの攻撃は当たらない。理由も大体の人たちが気付いているだろう。すごく単純で分かりやすいような理由だ。
「やっぱり・・・当たらないか」
レオンもなぜ当たらないのかわかっているようで、乱れた呼吸を整えながら1度姿勢を正す。
レオンの攻撃は威力がある。だけど、彼は造形魔法と同様で技の発動までの時間が一般の魔導士よりも長い。氷の造形よりかは短いような気もするけど、それでもわずかに繰り出すまでに時間がかかりすぎていることに変わりはない。
それに追加して俺のこの目に入れた滅竜魔法の魔水晶。これがいい役割をしてくれる。
視力自体も相当に良くなっているけど何よりもありがたいのは相手の魔力の流れが見えること。どこに魔力が集中しているかで次にどのような攻撃をしてくるのか予想できるし、大体の動きも感知することができる。
「俺が動き出すより先に動いてるじゃん、シリル」
「そりゃそうだよ。じゃないと当たっちゃうもん」
レオンの言葉に即答する。レオンは魔力が高い分威力があるように見える。だけど、それ以上に怖いのはその攻撃時のスピードだと思う。グラシアンさんの時なんか特に明白だった。彼の方が先に魔法を発動させたのに、遅れたレオンもほぼ同じ位置で拳をぶつけ合わせてたから。たぶん発動までの時間がかかっている分少しでもカバーしようとして素早く動いているんだろうけど、そのおかげで魔法の威力が尋常じゃ
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