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Deathberry and Deathgame
Chapter 3. 『世界を変えた人』
Extra Episode "Deathberry @ X-mas"
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にって作ったモンを独りで消費していいわけがねえことくらい分かれ、脳みそまで胃袋になってんのかよ」
「……一護、最近サチの肩持つこと、多くない?」
「あ? 別にンなことねーよ。フツーだろ……っと、なんか来たな」

 目の前に浮かんだメッセージ着信のアイコンに、一護は食事を中断する。人差し指でタップすると、サチからの短いメッセージが届いていた。

「……ウワサをすればってヤツだ。サチの奴がまたメシ作るから来てくれとさ。今度は自重しろよ。でねーと首ねっこ引っ掴んでソードスキル無効化エリアに放り込むぞ」
「このオレンジ野郎。通報するから」
「ウマいこと言ったつもりか腹ペコオバケ……あー、またフォルダが満タンになりやがった。新しいトコ作っとかねえと、めんどくせえ」
「……フォルダがいっぱい? 一護ってそんなにメッセージ使うっけ?」
「ああいや、最近になって急にだ。サチの奴がけっこうな頻度で飛ばしてくるからな。どーでもよけりゃ返信しねえから、返すのはごく偶にだ」
「ふーん……ちなみに、一日でどのくらい?」
「あ? えーっと……三十件くれえじゃねえか?」
「…………うわぁ」

 二日に一回使えば多い方であるリーナは、ドン引き、とばかりに顔をひきつらせる。対する当事者の方は特に気にした様子もなく、メッセージ欄を操作して新規フォルダを作成していった。

「まあ、黒猫団の訓練とか、SSTAのこととか一々知らせてくれてんだ。別にいいだろ、そんくらい」
「いや、立派なメール厨だと思うけど……」
「何だよ。つーかお前も最近、サチに冷たくねえか?」
「そんなことない。貴方が甘すぎるだけ」
「は? 何で戦線離脱した奴にまで厳しくしなきゃいけねーんだよ。アイツはアイツなりに頑張ってんだ、応援して何がわりーんだよ」
「悪いなんて言ってない。ただ、締めるところは締めておかないと、その内堕落する」
「そこまでマジになんなくてもいいじゃねえか。やっと今自分の道を見つけたトコなんだ。今まで散々キツイ思いしてきた奴を締めたらかわいそうだろ」
「ふんっ、この甲斐性なしの節操なし。どうせ、か弱い女の子を護れて気持ちいいだけなんでしょ」
「テメエ……!」
「……なぁに?」
 
 互いにフォークを握り締めたまま、二人は立ち上がる。一護の顔面は紅潮しており、対するリーナはどこまでも冷徹な表情。そして、そのどちらからも怒気が迸っていた。
 聖夜に似つかわしくない不穏な空気が高級感あふれる室内に満ち、どちらからともなく手にした武器(フォーク)を相手目掛けて振り抜こうとした瞬間。

 窓の外で、ドォーン!! という爆発音が響いた。爆発の炎のものとおぼしき閃光で、二人の顔が真紅に染まる。

「ッ!? なに?」
「知るか! 転移門の方からだ!!」


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