Chapter 3. 『世界を変えた人』
Extra Episode "Deathberry @ X-mas"
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プレイヤーってことで、いろいろ男が寄ってくるだろうが」
「ンー、まあ、確かに寄ってくんのは少なからずいるサ。ケド、全員お引き取り願ってるからナ。魂胆が邪なのが見え見えダシ」
「あー、そりゃあなあ。男ってのは、例外なく単純な生き物だからな。女の余裕ってヤツで、一つ大目に見てやってくれ」
二人は互いに苦笑を浮かべると、肩を竦めて見せた。黒肌の大男と白肌の少女、全く異なる容姿を持つ両者の動作が完全にシンクロする。
「そういう邪な感じがしなさそうなのは……キリトなんかどうだ? 口下手のバカだが、強いし優しさもある。歳も、そう変わらんだろう」
「キー坊は……まあ確かにアリかもしんないケド、でも男女間の仲については確実に興味なさそーだよナ。男友達ってノガ、一番しっくりきそうダ」
「そうか、それじゃあ……ああ、さっきまでいた一護はどうだよ。あれで意外と心の機微には鋭そう……いや、奴にはリーナがいたか」
「マーナ。流石にあの二人の間に入るのは無理ダ。明らかに個人空間を共有してるレベルだロ、アレ。食事に行っただけでリっちゃんに目付けられるし、分が悪すぎダ」
「だよなあ。アレで恋仲じゃねえってんだから笑えるぜ……ん? ちょっと待て。その台詞だと、一度は考えたってことか?」
「ン? 一度どころか何度か考えたぜ? ベリっち強奪計画」
ア、これ内緒ナ、と付け加えて笑うアルゴを見て、禿頭の巨漢は目を丸くした。
「ほお、まさかお前から片思いすることがあるなんてな。なんだ、一目惚れってやつか?」
「いやいや、確かに顔はカッコイイけど、それだけで惹かれるほどオレっちは単純じゃねえサ。愛想がねえクセに優しかったり、つっけんどんなコト言ったかと思ったラ鋭かったリ、そういうギャップを見てたら、いつの間にか、ナ」
「へぇ、そりゃあ何とも、女子の恋って感じだな。意外にも」
「意外ってなんだヨ。失礼ナ」
口を尖らせるアルゴに、スマンスマンと詫びながらエギルはお茶のお代わりを差し出した。毒々しい赤い色のお茶を、特に気にする風でも受け取って一口啜る。エスニックな香りが狭い店内を満たしていく。
「……でもまあ、確かにオレっちに恋の駆け引きっのは似合わねーかもナ。最近、自分でもそう思うようになっタ。
イヤ、こう言うと語弊があるカ。なんつーか、オレっちは、アイツが楽しくしててくれればそれで満足なんダ。隣にいられなくたって、ちょっと離れたトコロから見守ってられれば、それで充分、満たされル」
「それ、なんか寂しくねえか?」
「マ、寂しいっつカ、競争にも参加しねーで退くのは惜しい気も確かにするけどナ。
でも、これでいいんダ。
隣にいたら、きっとアイツの顔しか見えなくナル。ベリっちの全部を見守るには、隣から一歩退かなきゃ
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