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彼に似た星空
10.私はあなたが好きです
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隼鷹にいじられ、半泣きの提督を眺めて笑っていた。

「…あいつな、お前たちが出撃してすぐ言ったんだよ」
「what?」
「『今日で終わる。だからみんなでパーティーの準備をしよう』ってな」
「……」
「正直、おれは今日第一艦隊に入れなかったことが悔しくて悔しくて仕方なかったよ。砲撃ではお前たちには負けるかもしれないが、俺には雷撃がある。トータルでお前たちに負けない自信は今も揺るがない。次こそはヤツを沈める自信もあった。それでも提督はお前を選んだ。そして俺の前で、まったくためらわずにそう言ってのけた」
「木曾…」

 木曾はフフッと笑った。心なしか少し寂しそうに見えた。

「“負けた”と思ったよ。提督が心から信頼しているのは金剛、お前だった。俺も提督のために最高の勝利を持ち帰る約束をしたし、それを守る自信も覚悟もあるが…それでも、お前には勝てなかったみたいだ」
「木曾も、テートクのこと好きだったんデスネ……」
「柄じゃないと思ったんだけどな…球磨姉ェに“キソーはかわいいんだから気にせず行けクマ”って言われてな。自分のことをそんな風に思ったことはないが、珍しくその気になっちまった」
「球磨なら言いそうデスネ」
「だろ? ああ見えてしっかり者で妹の面倒をよく見てくれる、いい姉だ」

 遠くのほうで、『ぶえっくしょぉおおい!!! 球磨がウワサされているクマッ?!!』という叫び声が聞こえ、私と木曾はお互いを見合って吹き出した。

「ブフッ……とにかくだ。金剛、提督はあんたに任せた」
「? どういうことデース?」
「俺は俺のできる事を、あいつのためにするだけだ。だけど金剛、あいつのことは、あんたに任せる」
「でも、テートクが私を選ぶかどうかなんて分からないデスヨ?」
「おいおい…本気で言ってるのかそれ…自覚無しかよ…」
「what?」

 木曾はあからさまに呆れた顔をした。私は何かおかしなことを言っただろうか? 確かに彼が私を信頼してくれているのは感じているが、だからといって私のことを選んでくれるのかに関しては、私には自信が持てない。

「……まぁいいさ。じき分かる」

 木曾は呆れ顔のまま立ち上がった。そして提督の方を見据え、マントのように着こなしていた軍服をなびかせ、かぶっていた帽子をかぶり直した。

「すまんが少しだけ提督を借りるぜ。いくらあんたに任せるとしても、ちょっとぐらいは意趣返しはしておきたいしな」
「? よくわかんないけど、了解デース」

 木曾はニヤッと笑うと手袋をギュッと整えた。木曾の視線の先にいるのは、千歳にいじられ、那智にウイスキーをすすめられ、隼鷹にヘッドロックを決められている提督だ。木曾は提督の元にスタスタと歩いて行き、提督の前まで来ると、彼の腹部にパンチを入れていた。『ぐぶ
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