10.私はあなたが好きです
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提督からの命令を守って敵艦隊と戦ったかを力説していた。そして、いかに提督が立案した作戦が優れたものであったかも合わせて説明してした。一見するといつもと変わらない感じはしたが、いつもは控えめな榛名があそこまで饒舌になっている辺り、榛名も恐らく酔っ払っているのだろう。古鷹と綾波には、榛名の絡み酒に付きあわせてしまったことを明日にでも謝ろうと思った。
霧島は霧島で、なぜか天龍や長門、摩耶や長月といった、どちらかというと武闘派な面子と一緒に酒を飲んでいる。時折霧島が『ゴルァ!!!』と叫び、その度に天龍は震え上がり、摩耶に『落ち着けって!!』とたしなめられ、その横で長月がケラケラと笑い、長門はそんな霧島と拳を打ち合わせていた。その光景を見ていると、霧島は本来、気性が激しいのかもしれないと思えた。それを艦隊のために抑えて、頭脳労働担当になっているのかも…そう考えると、時には霧島に思いのままに戦ってほしいとも思えた。
赤城は相変わらず山のように料理をたいらげつづけ、加賀は相変わらず瑞鶴といがみあい、それを翔鶴がたしなめている。提督ものんべえな隼鷹と千歳、那智に捕まり『まったく飲めない』と言っていたはずのお酒を飲まされている。皆も今日の作戦成功はうれしいのだろう。実際には作戦に参加しなかった子たちも遠征や任務達成で鎮守府を支えてくれた。今日の勝利は、皆でもぎ取った勝利だ。そう思うと、皆の気持ちを一心に受け止め、勝利を手に出来た自分がとても誇らしかった。そしてなにより、彼の役に立てたことがうれしかった。
「よぉ。金剛、作戦成功おつかれさま」
皆を眺めていると、木曾が私の隣にきた。木曾は私たちが最後のアタックをする前に敵旗艦を撃沈していたが、沈めきることは出来なかった。あの時…敵の復活が確認されたときの木曾の荒れ様は凄まじかった。
「アリガトー木曾」
「やっぱお前はすごいな。俺でさえ完全に沈めきることは出来なかったヤツを沈めただなんて…」
「そんなことナイネー。それまでに相手を消耗させてくれたみんなのおかげだヨー。前の作戦で木曾が雷撃で旗艦の体力を削ってなかったら、今回倒すことは出来なかったデス」
「そう言ってくれると、俺の魚雷も役立ったみたいでよかったぜ」
実際北上や大井には劣るものの、木曾の雷撃もすさまじい破壊力を誇る。その雷撃で、今回の敵旗艦を撃沈したのも、一度や二度ではない。確かに直接最後にとどめを刺したのは私だったが、その意味で、今回の木曾の活躍も、大きな意味を持っていた。
私と木曾は、不思議となぜか提督の方を見た。提督は今、顔を真っ赤にした隼鷹に、鼻にスルメを突っ込まれている。本気で嫌がる提督を見て、ゲラゲラと笑う隼鷹。彼女が元は豪華客船で、育ちのいいお嬢様だというのが未だに信じられない。そして木曾も、そんな
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