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修学旅行
4部分:第四章
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第四章

「年がら年中仕事もしないでな」
「子供とムキになって遊んでな」
「せこい商人と一緒になってな」
 実際にそのアニメの中ではそうした将軍様であった。
「っていうかの将軍様公家にしか見えないよな」
「そうだよな。本当に仕事しないしな」
「遊んでばかりだしな」
「実際は違うんだろ?」
「いや、あれじゃあ幕府潰れるだろ」
 これは普通に想定できることだった。高校生でもだ。
「こんなお寺建てるどころじゃなくな」
「そんなのは無理だよな」
「そうだよな」
「それにしてもな」
 その将軍様の話をしながらまた話すのだった。話す内容は金閣寺についてだった。
「奇麗だよな」
「ああ、お池に映ってるのが特にな」
「いいよな」
 皆金閣寺を見ること自体を楽しんでいた。しかし二人はここでも気が気でない。困った顔をしてそのうえでその場にいた。そしてそれは一連の京都巡りが終わって夕食から風呂が終わってもだ。雄大は旅館の廊下でほとほと弱り果てた顔になってそのうえで言っていた。
「何時会えるんだろうな、全然チャンスがないよ」
 そしてであった。携帯でメールを出す。すぐに返答が来た。
「無理なんだ、向こうはガードが固いんだな」
 こう言って溜息をついてだった。そのうえでメールをまた送った。
『ねえ、明日だけれど』
『明日?』
 メールでのやり取りになった。それをするのだった。
『明日午後四条の大通りに行くけれど』
『私も』
 ここでまたメールが返って来た。
『私もなのよ』
『それ本当!?』
 それを聞いてだ。雄大はすぐに笑顔になってだ。メールを即座に返した。
『じゃあさ、そこでさ』
『そうね、そこでね』
 またメールが来た。
『一緒になれるよね』
『なれるなれる』
 メールを打つ手も弾んでいる。
『じゃあそこでね。それでいいよね』
『ええ。ただグループ行動だけれど』
『それでも隙を見て行こうよ』
 こう送った。
『少しでも一緒にいたいからさ』
『そうね。だったらね』
『明日そこでね。いましょう』
『うん、それじゃあね』
 満面の笑みで入力し終え自分の部屋に戻る。部屋に戻った彼はにやにやとしていた。部屋の皆はそんな彼をこっそり温かい目で見ていた。
 その日の朝から昼まで里香も上機嫌だった。旅館を出る時は昨日とはまるで別人だった。うきうきとしてそこを出てそうして言うのである。
「京都っていいわよね」
「そうよね」
「それじゃあね」
「うん、行こう」
 その笑顔で皆にも返す。
「楽しい京都旅行にね」
「やれやれ。御機嫌ね」
「げんきんよね」
 周りはそんな彼女を見てこっそりと話をする。
「じゃあ今日の午後はね」
「気を利かせてあげようかしら」
「折角だし」
 こんな
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