暁 〜小説投稿サイト〜
SAO二次:コラボ―Non-standard arm's(規格外の武器達)―
prologue:Unexpected weapon(予想外なる武器)―――episode last
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り気を取られており、着々と準備を続けるアマリには目もくれていない。


(何処が目か分からないけどな)


 自身の思惑が順調に進むからか、心の内で冗談を言える余裕まで出てきたリュウ。

 ロボの動きが素早くなり、右に左に上に下に、鋼鉄の腕が乱暴に振り回される。
 負けじとリュウもギアを上げ、身のこなしで躱し回避し、刀で捌き受け流す。


[“ギイイイイイイイイイィィィィィッ!!”]


 耳障りな掠れた音色をかき鳴らし、冷血な唸りをコレでもかと上げてドリルが駆動。
 そのまま乱暴に叩きつけられ、遂に現最後尾車両も大破寸前に持ち込まされた。

 しかしリュウは慌てず騒がず跳躍すると、逆さまの体勢から連結部分へ『鞘銃』の空撃弾を射出。
 重苦しい音と一緒に砂利を散らしながら車両は離れていく。

 着地からまたもニヤリと口角を上げて、すぐに追いつき構えを見せてきたロボへ、余裕の態度を見せつける。


[“ギキュウゥゥゥゥン……!”]


 ―――と、同時に追随を止めて数メートルロボットが身を引く。
 何をやる気かなど考えるまでもない。


“バララララララララララララァッ!!”
「またこれか!」


 走行しながらで狙いが雑ではあるが、それでも数発は身体へヒットしそうになる。
 上からの援護で稀に大きく狙いもずれるが、毎回期待できる要素でもない。

 それでも慌てず……リュウはどこぞの侍よろしく、刀と鞘銃刀で次々反らし、小気味良い音と共にそれは何とかやり過ごした。


(銃弾を近接で防ぐとか他のVRMMOなら吃驚仰天だが、『此処』これ位なら出来なけりゃな。それで………やっぱ銃じゃあ、HPはほぼ減って無いか)


 彼の思考の中で飛び出した二つの単語―――VRMMOとHP
 MMOとはネットゲームの事で有り、HPとは御馴染の“ヒットポイント”の略称。
 どちらも現実では、ホビー関係の話題でなければまず不要な言葉の筈だ。

 しかしリュウの言葉が何の間違いもないと言いたげに……ロボットの頭上には、『緑色のバー』が三本浮かんでいた。
 一体それは、何なのだろうか。


「最初はそれなりに食らってたんだけどよ……」


 傍から見れば不自然そのものな単語を紡ぎながら、リュウは刀をクルリクルリと玩び、思案顔からニヒルな笑みへ緩慢にチェンジさせる。


「さーて、幾らでも撃って来たがれ。全部刀で吹き飛ばしてやるよ」
[“オオオオオオオォォォン!!”]


 サイバーチックなサウンドを鳴らしながら、挑発に乗ったロボが怒りにかられたが如く、砲塔より派手に撃ち放った。



 ―――青白いレーザーを。


「ちょ!? それは無理!!」



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