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SAO二次:コラボ―Non-standard arm's(規格外の武器達)―
prologue:Unexpected weapon(予想外なる武器)―――episode last
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 景色の全てが斑を描く帯に見える様な、凄まじいスピードで後ろへ置き去りにされていく。
 
 百数十km以上、二百q未満のギリギリを捉えているだろう事が、誰の目にも明白な景色だ。

 目を奪われる暇もない、ついでに態々眺めるまでもない。
 煩雑かつ複雑な光景を……リュウもまた、瞳に映してはいなかった。


[“ギギギギイイイッ!!”]
「うわっち!」


 ……尤も今現在の状況の所為か、一般客の抱く『観る価値もない』という事と、彼の内にある心境は全く異なっているが。


 列車の屋根に乗ったお陰で踏み潰される事は無くなり、横側に幅が無い為後ろからだけ接近させる事態にもつながっている。
 が、列車はそれなりな車高を持つ所為で、振り降ろすだけだった腕が横からも迫ってくる羽目になり、敵の攻撃のバリエーションが増えてしまってもいた。

 左右にズレれば良かった回避も、今ではそれなりに変化をつけてを身を翻さねばならない。
 しかも、ただ上に跳躍しては風圧の所為で飛距離が稼げない。
 なので、腕をも『足場』と捉えて二段ジャンプしなければ、車体から殴り落とされる可能性が首を擡げていた。
 ロボ本体が壁となって後部から落とされることはあり得ないが……面倒くさいことこの上なかろう。

 そして砲塔の長さから、射撃を無効化するには接近戦をせねばならなくなっていた。
 それが故に列車自体へのダメージは蓄積しており、後部車両三つは既に潰されて連結が切れ、後ろへ吹き飛んでしまっている。


 現に今、リュウ達が居る車両は『この時点での』最後部なのだ。


「あー……なんでこんな大変な事、俺がやらなきゃいけねぇの―――」
[“ギュオオオォォォォン!!”]
「―――かっ! ……っと」


 何やら準備中らしきアマリから意識を背けさせるべく、目の前でちょろちょろと動き回るリュウを振り落とそうと、意志持つ鉄塊の腕が力いっぱい薙がれた。

 そうはさせるかとリュウは、脚から力を抜いた重力を活かすダッキングでそれをかわす。


「まあ、自分から言い出したんなら完遂しないと……なっ!」


 そう……そもそも自分が短時間だがオトリとなり、アマリから一旦は注意を外させるよう、眼前で立ち回る策は他ならぬ、リュウ自身が発案したもの。
 
 だから泣き言をボヤくのは兎も角、投げ出す道など残されてはいない。

 叩きつける癖に隙間にも侵入する横風と、己に課された労働量からリュウは目を細めた。
 そして叩き付けられる腕を側転にて回避した。








 同時刻、高速道路上。

 リュウが思いついた作戦をアマリ経由で聞き届けたセツナは、片手で通信を切り再びハンドルを深く握りこむ。

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