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修学旅行
2部分:第二章
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第二章

「これで」
「どうしてわかれっていうのよ」
「それによ。自由時間だってね」
「グループ行動だから」
「えっ、そうなの」
 それを言われて驚く里香だった。新幹線の中で思わず驚きの声をあげる。
「そうだったの!?グループ行動だったの」
「いや、それ最初から言ってるし」
「聞いてないの?それ」
「修学旅行のしおりにも書いてあるでしょ」
「そういえば確か」
 言われてそれに気付くのだった。ようやくだった。
「書いてあったような」
「いや、書いてあったし」
「それどうして覚えてないのよ」
「っていうか読んでなかったでしょ」
「一応読んだわよ」
 それは言う。あやふやな感じの言葉で。
「ただ。そうだったの」
「私達の班だからね」
「宜しくね」
 周りから五人程出て来て言ってきた。
「それじゃあね。自由時間は一緒だからね」
「わかったわね」
「何だ、二人きりになれないの」
 里香は周りの言葉を聞いてがっかりとした顔になって呟いた。
「折角だって思ったのに」
「いや、それはないから」
「絶対にって」
「今何て言ったのよ」
「そうよ、今何て言ったのよ」
 周りはここで一斉に彼女に突っ込みを入れた。
「何か凄いこと言わなかった!?」
「二人とか何とか」
「言わなかった?」
「あっ、何でもないわ」
 自分でも失言に気付いた。それで咄嗟に誤魔化したのである。
「何でもないから」
「ああ、そうなの」
「何だと思ってたけれどね」
「何でもなかったの」
「そうそう、何でもないから」
 顔に汗を流しながら述べた。新幹線の中は適度な温度で普通ならば汗をかく筈がない。しかしそれでも今彼女は明らかに汗をかいていた。
 そのうえでだ。また言うのであった。
「気にしないで」
「気にしなくていいのね」
「まあそういうことにしておいてあげるわ」
「かなり怪しいけれど」
「別に怪しくはないから」
 強引にそうすることにしたのだった。
「気にしない気にしない」
「そうね。とにかく修学旅行」
「一生に一度の修学旅行」
「気合入れて楽しむわよ」
「いいわね」
 こんな話をしながら京都に向かう。そしてそれは彼女達だけではない。男組もだ。彼等は京都駅にぞろぞろと降りながらあれこれと話をしている。
「さて、じゃあこれからな」
「派手に楽しもうな」
「京都な。飯まずいんだったか?」
「高いと美味いんだよ、ここは」
 それが京都である。この辺りは大阪とは違う。
「じゃあ映画村で菓子食うか?」
「おい、八橋買って食わないか?」
「草団子とかいいよな」
「そうだよな」
「なあ山本」
 そしてここで二重の奇麗な目をした中性的な少年に声がかけられた。黒い髪に少し茶がけられている。口元
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