マブラヴ
1206話
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かが外国人のハーフとかでしょうか?』
そんな話を聞きながら、隣に座っているシェリルへと視線を向ける。
「奇跡の歌声だってよ」
「あら、当然じゃない。あたしの歌声なんだからそれくらい言われても当然でしょ?」
自信に満ちたシェリルの言葉だが、実際にそれだけの売り上げを叩き出しているのだから自意識過剰だったり天狗になっているとは言わないんだろう。
2億枚の売り上げというのが具体的にどれくらい凄いのかというのは分からないが、それでも洒落にならないだけの売り上げだというのは分かる。
『こうなると、やっぱりその素顔を見たいものですが……さて、どうでしょう?』
『うーん、難しいと思いますよ? ここまで徹底的に情報を秘匿しているのですから』
『そうなんですよね。ただ、そうなるとそこまでして隠す理由が何なのかというのが気になってきます。巷の噂では、余命数ヶ月だとかいうものも聞かれますが』
『さすがにそれはないでしょう。レコーディングというのは想像以上に体力を使うものです。そのような事に余命云々なんて人が出て来たら、常識を疑いますよ』
数秒前までは上機嫌だったシェリルの表情が、今の映像を見て不愉快そうなものへと変わる。
「何よ、歌に全てを懸けてるんなら、死ぬ直前まで歌っていたいって思うのは当然でしょ。こういう、自分の常識だけで言ってる人って予想外の出来事に弱いんでしょうね」
「まぁ、そう言うなって。向こうだって雪広プロダクション……正確には雪広財閥か。あやかの実家がシェリルの情報を徹底的に隠しているんだから、シェリルがどういう人物なのかは分からないんだろうし」
「……むしゃくしゃしてきた。アクセル、ちょっと気分転換に付き合いなさい」
「俺はいいけど……シェリルの方はいいのか? ついさっき帰ってきたばかりだろ?」
「いいのよ。あたしがいいって言ってるんだから」
そう告げ、ソファから立ち上がると俺の手を引っ張る。
俺としては今日はもうゆっくりと過ごしたかったんだが、シェリルがそう言うなら付き合うか。
「分かったよ。で、どこに行く? さすがに他の世界に行くってのは時間がないぞ?」
居間の時計へと視線を向けると、そこに表示されているのは午後3時20分。
まだ夕食がどうのって時間じゃないが、かといってこれから遠くへ遊びに行ける程の余裕がある訳でもない。
「そうね、牧場に行きましょう。この1年でワイバーンの調教も結構進んで、ある程度実力のある人なら乗れるようになってるのよ」
「……意外だな」
ワイバーンは、以前アウルを乗せようとはしなかった。
俺は普通に背中に乗せたが、それもお互いの力の差を向こうが理解しているからこそ出来たことだった。
そう考えると、たった1年で随分と進歩し
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