マブラヴ
1206話
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、定価4万円程度のが20万円とか。5倍も出してまで欲しい奴がいるのか? どうせ品薄はいずれ解消されるんだろうし、少し待ってればもっと安く買えるものを。どう思う?」
「何だ、気が付いてたの? 少し驚かせてあげようと思ったのに」
俺の声に、詰まらなさそうな言葉を発しながら居間へと入って来たのは、シェリルだった。
いつものように派手な美貌を派手な服装で着飾っており、正にシェリル・ノームって感じがする。
「幾らTVに集中してるからって、家に誰かが入ってくれば気が付くって」
「そう? まぁ、いいけど。随分疲れているように見えるわね」
俺が寝転んでいたソファへ強引に座りながら尋ねてくるシェリル。
こう見えて心配しているんだろう。
「ま、代表だ何だと言っても、ああいう会議の場とかは苦手だしな」
「大魔王なのに?」
「大魔王だからこそ、だよ。そもそも、俺がシャドウミラーの代表をやってるのだって殆ど成り行きに近いしな。実際、この1年俺がいない間もシャドウミラーはしっかりと動いていたんだろ?」
「それはそうだけど、アクセルがいるのといないのとじゃ、軍事力的にも色々と違うんでしょ。その辺はプロに任せてるけど」
ストロベリーブロンドの髪を掻き上げながら告げるシェリルに、確かにと頷く。
俺とニーズヘッグというのはシャドウミラーの象徴であり、圧倒的な力というものを体現している存在だ。
当然シャドウミラーと交渉するなり敵対するなり、何らかの形で関わってくる者にしてみれば、良くも悪くも絶対に意識せざるを得ない相手だろう。
そう考えると、俺はここにいる。それだけでシャドウミラーの力となっているんだろうが……
「それだと、別に俺が代表である必要はなくないか? それこそ、実働班的な意味で十分だと思うんだが」
「そう? でも、シャドウミラーがアクセルを中心にして纏まっている集団なのは間違いないわよ?」
そんなやり取りをしながら、TVを見ていると……
『顔を出さない謎のアイドル、シェリル・ノーム。その澄んだ歌声を耳にする人は多くなっているでしょう。雪広財閥が彼女をデビューさせる為だけに芸能プロダクションを作ったというのは、芸能界では良く知られている話です。ただ、その秘密主義には多少批判も出ていますが……』
『確かに、あれだけの売り上げと人気を誇るシェリル・ノームですからね。どのような人物なのかを見たいと思っている人も多いでしょう。このような販売戦略をするのは珍しいですが、皆無という訳ではありません。ですが、ここまで徹底して……というのはちょっと珍しいですね。CDのジャケット絵のような場所に顔を出したり、とかしてくれるといいんですが』
『あれだけ素晴らしい歌唱力を持っているのを考えると、確かにどのような人かは見
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