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101番目の舶ィ語
第ニ話。消えない伝説
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よし」

先輩が一之江の頭を撫でているのを見て、ようやく俺は心を落ち着けさせることが出来た。

「モンジくんなんか心配して、目を真っ赤にしてたんだからっ」

「モンジが?」

俺の顔をマジマジ見つめてくる一之江。
俺は部屋のドア付近で腕を組んだまま立っていた。

「ふむ。私はもう完璧に大丈夫なので、部屋を出るとしましょう」

「わっ、もう起きて平気?」

「はい。それに貴女の部屋に野獣のような男を入れておくのは良くありません。モンジが万全の状態だったら、今頃この部屋の空気が薄くなるくらい匂いを嗅がれてますよ」

「どんな変態だ俺は??」

「ふぇー。あ、でも、うーん、モンジくん。匂いは流石に恥ずかしいから、ちょっぴり勘弁して欲しいかなぁ……あ、あはは……」

先輩が恥ずかしそうにそう告げる。
うむ、照れた顔は可愛いらしい。
……って、何言ってんだ俺は??
いかん、こんな先輩がいる空間にこれ以上いたら、間違いなくヒスってしまう。
帰ろう。直ちに。今すぐ!

「しませんから大丈夫です。一之江が目覚めたからそろそろ帰りますよ」

「そうですね」

一之江がベッドから降りるのをさりげなく見守る。
一之江の足取りはしっかりしていて、ダメージの蓄積はさほどないように見えた。
まあ、一之江が他人に解り易くダメージを見せるなんてことはほとんどないんだがな。

「あれ、やっぱり帰っちゃうのん?」

先輩がしょんぼりした顔をする。
うっ……なんか罪悪感がするな。
ずっと居たくなる。
先輩の側で一緒に……。

「いけません。あれは『ベッド下の男』ではなく『ベッド上のモンジ』に進化する前の顔ですよ」

「どんな変態だそれは??」

突っ込みたくないのに、突っ込んでしまう。
流石は一之江。
ボケは健在だ。
なんて思っていたら……。

「ふふ、モンジくんだったらいいよん♪」

突然先輩が爆弾発言をした。

「な、な、ナニを言ってんすか??」

「私を好きにしていいよん______疾風♪」

なっ、なん……だと??
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