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世界中で俺が1番恋した色

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督に呼ばれた。
「前半は動きが良くなかったぞ。後半に2点取ってこい。いけるな?」
「2点どころか、3点取ってきますよ。」
「頼もしくなったな。任せたぞ。」
そう言って監督に背中を押された。

選手が全員ピッチに散らばったのを審判が確認すると、後半開始のホイッスルが鳴らされた。

早速、俺にボールが回ってくる。一旦ミッドフィルダーの選手にボールを預けて、前線に走った。
その選手は俺の動きに合わせて最高のパスを送ってくれた。
残る相手は、ディフェンス1人とキーパーのみだ。
スライディングをしてくるディフェンスを冷静にかわすと、残りのキーパーが飛びこんでくるのが目に入った。
俺は、ループシュートを選択して確実に1点を取った。
まずは1点。同点だ。

相手のキックオフで試合が再開した。
前半の早くに先制されたこともあり動きが硬かった優虹の選手たちも次第に動きがよくなってきた。
サイドの選手がいい位置でボールをカットした。サイドの選手が蹴ったボールがきれいな弧を描いて、俺の頭にピンポイントで合った。
俺の頭に合ったボールはサイドネットに突き刺さった。

逆転だ。チームメイトが集まってきた。

試合が再開され、優虹がボールを奪った。

このまま試合が終われば勝てる。
そうすれば…と考えていたその時だった。

優虹のディフェンスがゴールキーパーにパスしたボールがゴールに入ってしまった。
オウンゴールだ。
勝ちを掴みかけての失点は痛すぎた。
後半も残り時間が少ない。
あとワンチャンスあるかないかだろう。

試合が再開された。
先ほどオウンゴールを演出してしまった、ディフェンスにボールが渡った。
「葵花、任せた!」
その声が聞こえて、超ロングボールが飛んできた。
ペナルティーエリアの、少し外にいた俺の頭を超えていきそうである。
俺は、ゴールに向かって走ったが届きそうではない。

どうにかしようと思った。
そのデイフェンスのミスを帳消しにするためかどうかは自分にも分からなかった。しかし、このチャンスでどうにかしなければならないと思った。
これしかない!と思い、俺は飛んだ。
ボールが上を過ぎようとする。
少しコースを変えれば入ると思った。
キーパーが構えた。
空中にいた俺は、「オーバーヘット」の体制に入った。
右脚を振りかぶって、ボールに合わせる。
自分に、向かってくるボールと違い、自分を越えていくボールは難しい。
ジャンプが少し低かった。
タイミングは完璧だったが、少し脚が届きそうになかった。

思いっきり足を伸ばした。
すると、つま先にボールが当たった。
つま先に当たったボールは、キーパーの頭を越えそうだ。
キーパーが必死に走るのを見ていると、俺は地面に落ちた。

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