暁 〜小説投稿サイト〜
世界中で俺が1番恋した色
チェリー・ピンク
[1/2]

[8]前話 [1] 最後 [2]次話
俺は強い風が吹いてきた窓をみていた。
と同時に一瞬だけ姿が見えたような気がした蒼空さんの姿をどこか探していた。

1時間目の終わりを告げるチャイムが鳴った。
クラスメイトも各々が自分の座席について、自慢話や悲壮感漂うエピソードを語ったりしている。そのせいで教室はいつもより賑やかだ。

紅乃が、俺の席まで歩いてきた。
「蒼空ちゃん、ちょっとこいつ借りてくね!」
蒼空さんの返答は聞こえないが、どーせ好きにすればとか答えているのだろう。
「じゃあ、借りてくねー。ほら、葵花行くよ。」
「行くってどこに?」
「決まってんじゃん。屋上だよ」

屋上に着いた。紅乃がドアを開けて、誰もいないか確認した。


「用ってなんだよー?ここでよくない?」
「だーめ。黙ってついてくればいいの。」
「わーったよ」

屋上に到着した。
紅乃が屋上のドアを開けて誰もいないか確認した。

ここは屋上だが、背の高いフェンスに囲まれている。
その上、近くに大きな山があり、見晴らしがいいわけでもない。
だからだと思うが、この場所では漫画の世界のような幻想的なことは起きないのだ。

紅乃がフェンスにもたれかかる。
「昨日、私号泣しちゃって全然寝れなかったの(笑)」
「そうなのか。」
「うん。でもね、葵花の声が聞けてよかった。」
「俺の声聞いて泣き始めたくせに?」
「それはー、多分、葵花の声で安心したからじゃない?(照)」
「まぁ、いいよ。で、話ってのはそれじゃないだろ」
「うん。昨日ね、夢に岬橙が出てきたの。」
「本当に!?」
「うん。岬橙大きくなってたよ。葵花と同じくらいの背だったかな。昔は、私の方が高かったのに。抜かされてたよ(笑)」
「岬橙何か言ってた?」
「岬橙は、紅乃も葵花も変わってないなって。紅乃はいつも優しくて面倒見がよくて、、、」
「こんなとこで泣くなよ。」
俺は、持っていたハンカチを紅乃に渡そうとした。
「それと、それと、、、葵花は、今、すっごく、苦しんでるから、、葵花が大変だったら、助けてあげて、、、って、、、」

紅乃は泣き崩れた。
その言葉に俺は心を打たれた。
岬橙には何もかもお見通しだったっていうことだな。
俺は、ポケットからハンカチを出した。
「だから、さっき止めてくれたんだよな。ありがとな。」
泣き崩れている紅乃にハンカチを渡そうとしたが受け取る様子がないので、紅乃の頭に額を当てた。
「実はな、俺も昨日夢で岬橙に会ったんだ。俺は、紅乃を頼むって言われた。でも、俺はお前にしてやれることは何もない。いつも助けてもらってばっかで。だから今くらいは、俺のこと頼ってくれ。」
その後も紅乃は泣いていた。
俺は、紅乃が泣き止むまでずっとそばにいた。



その日、俺は2日ぶり
[8]前話 [1] 最後 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ