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世界中で俺が1番恋した色
チェリー・ピンク
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に部活に出た。
少し足が鈍っているかなと思ったが、寧ろ足が軽くなった気がして、いつも以上に調子が良かった。
ミニゲームが始まっても、その調子で得点を量産していると、顧問の先生が息を切らせながら走ってきた。
何やら大会らしい。次の土曜日で、相手は藍相(あいそう)学院というチームだ。藍相は強い方ではない。しかし、夏に行われた都大会の準決勝で0-1で負けている相手だ。
よく見たら、勝ったらその日は一試合しかなく、負けたら敗者復活で二試合目がある。
しかも、その試合は午前中一発目の14:00キックオフとなっている。
先生が途中できたこともあり、練習はそこで終わった。

帰ろうとすると、自転車に乗った紅乃が待ってた。
「葵花、終わるの遅ーい。」
「しょーがねーだろ、片付け大変なんだから。」
「てか、汗臭いし泥めっちゃ付いてる。」
「しょーがないだろ。サッカー部だぞ!!」
「冗談だって(笑)あ、それでさ、葵花って来週の土曜日予定とかある?」
「あー、大会があるんだけど、どうかした?」
「いや、試合があるんだったらいいんだけど。私のカルタの大会があって、ここで勝てたら近江神宮行けるかも知れないからさ。葵花がもし暇だったら見にこさせてやってもいいかなとか思ってね。」
「上から目線だな(笑)」
「紺麓(こんろく)で8:00からだけど、無理だよね?」
「あー。試合があるなー。」
「じゃあ、しょーがないか。せっかくクイーンになる私のカルタを見せてあげようと思ったのに。」
「なんで、さっきから上から目線なんだよ(笑)てか、クイーンになるのかよ」
「当たり前でしょー。高校卒業までにはクイーンになるのが私の夢だから。それで、カルタ会の希望の星とかちやほやされて、銅像にまでなって近江神宮に飾られて……」
「わかった、わかった。早く帰るぞ」
「まだ終わってないー」

この日は家に入るまで紅乃の妄想に付き合わされた。



家に帰って、先生にもらったプリントを見直していると、ある事に気がついた。
「これ、試合終わってからだとギリギリ紅乃の試合見れるかも知れないな。」
カルタは朝から夜までやっている。この日の試合に勝てばギリギリ紅乃の試合が見れる。但し、紅乃が決勝まで残っていればの話だ。
そして、俺も勝たなければならない。

高校生の間にクイーンになる。か
たかが都大会で負けてたらクイーンになんてなれるわけがない。俺は藍相にリベンジして紅乃の試合を見に行く。おもしろい。答えは単純明快だった。

俺が1試合勝ち、紅乃が勝ち続ければ、俺は紅乃の試合が見れる。

久しぶりに紅乃のカルタ見に行くか。

俺は増してやる気が出てきた。
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