青
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俺の名前は瀧柳 葵花(たきや あおい)。
高校一年の男だが、この「葵花(あおい)」という漢字と読み方のせいで、人生の中でとても損をしてきた。
初対面の人には必ず名前を間違えられる。学校だったらこの読み方をあだ名にされたりすることもある。これは、名前が独特な人あるあるでもある。
名前については、ここまでにしておこう。
さっき言ったように俺は高校一年生である。
東京にある私立 優虹(ゆこう)学院に通っている。自慢ではないが優虹学院は、東京都内でも進学実績が良い方である。
成績こそ微妙だが、俺はサッカーならできる。
自分で言うのは少し気が引けるが、俺は、優虹にサッカーの推薦で受かったくらいの実力者だ。しかも、1年生なが、Aチームのメンバーに入っている。
何?彼女?彼女なら、そのうちできるさ。多分ね。
このくらいで自己紹介はいいかな。
あー、今日も特に変わらない平凡な1日が始まるのか。と思って鞄を手に取り家を出た。
家を出て、愛用の青色の自転車に乗り鞄を前かごに無造作に入れて、重いペダルを踏んだ。
本来ならここで風が気持ちいいみたいなことを言いたいのだが、生憎今は冬で路面が凍結しかけている。
吐く息も白く、手袋をしていなかったら、手の感覚がなくなるんじゃないかと思うくらい寒い。足がよく冷える人には分かると思うが、足が凍っている?みたいな感じで、足が動かない状態である。
そんなことを思いながら自転車をこいでいると紅乃(あかの)と会った。
紅乃とは幼なじみで、紅乃も優虹に通っている。紅乃は、典型的な文系の女子で、カルタ部に所属している。カルタとは百人一首のことだ。小さく頃によく紅乃と一緒にやって、昔は俺も勝てたんだが最近では紅乃にさっぱり勝てない。たまに、紅乃が出てる大会などを見に行くが優虹でも紅乃は群を抜いて強いのだ。
そんな紅乃と一緒に学校によく一緒に行くのである。
恋愛感情?そんなものを、こいつに抱くわけがない。
紅乃がこっちに自転車を乗り進めてきた。
「あおい、何かあったん?目の下にくまができてるよ。転校生のこと考えて寝れなかったとか?(笑)」
このままだと誤解されそうなので急い否定した。
「いや、そんなんじゃないから。全然そんなことないから。」
自分でも失敗したと思った。焦り過ぎて逆に誤解を生むような否定の仕方をしてしまった。
ニヤニヤしながらこっちを見る紅乃に「わかったから、行くぞ」と言うと、紅乃に「顔赤くなってるじゃーん。」と言われた。その後は、なってる、なってないという会話を繰り返して学校に向かった。
学校に着く頃には、凍結しかけていた地面も少し濡れるくらいになっていた。
このタイミングで、紅乃が自慢げに「今
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