青
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日紅乃朝の占い1番だったよー。」と言ってきたので、自分の順位を思い出した。
あ、今日は最悪だった。朝のアナウンサーも12位と言っていた。それに、人間関係に難ありと言われていた。
さっきの紅乃のことだろうか。いやいや、あんなのは日常茶飯事だから、そんなことではないのだろう。
とあれこれ考えていると、紅乃が「何ボーっとしてるの先行くよ。」と言って、校舎に入って行った。俺も紅乃を追いかけるように校舎へ入っていった。
教室の中がザワついていた。よく見ると、1番後ろに机が1つ増えている。
すると、仲の良い碧(あきら)が話しかけてきた。
碧というのはクラスの中でも仲の良い友達である。
碧も名前をよくミドリと読まれてしまう。言わばWよく間違った読みをされる友Wでもあるのだ。
そんな碧に「知ってた?転校生ってうちのクラスなんだって。スタイルがいい女子っていう噂だよ。声も綺麗なんだって。」といった、転校生の情報を聞かされた。
俺は、納得したように「だから、この男子がいつもの2倍以上にテンションが高いのか」と言った。
正直俺も楽しみといえば楽しみだったのである。
その調子で朝のホームルームがはじまった。
先生がいつもはダサいと評判の私服なのにも関わらず、おろしたてのようなパリッとしたスーツで登場した。
生徒から歓喜の声が巻き起こる。
先生は咳払いをして、こう続けた。「えー、みなさんおはようございます。今日は転校生が学校にやって来ました。みなさん、温かい拍手で迎えてあげてください。」
ドアの向こうに転校生がいると思うと、心が踊った。
先生がドアの方へ歩く。
ドアに手をかける。
ドアを少し開ける。
いいよ。と転校生に告げる。
ドアを少し開いたまま教卓に向かって歩く。
教卓で横に1人分のスペースを開けて立っている。
ドアがゆっくりと開く。
みんなが身を乗り出してドアの向こうを見る。
男子が発狂している。みんなの目線がドアのあたりに注がれる。
みんなの目線が教室の……中に…?
みんなの視線が教卓の横に………?
チョークで黒板に文字が…………?
え………………?
何も見えない。俺は一瞬で察した。さては、こいつら俺を騙すためにわざと来てるフリしてるな。
こう思うには理由があった。
前に俺が寝坊して、ホームルームに2分遅刻ぐらいで行くと、俺の席に知らない人が座って先生の話を聞いていた。
不安な面持ちで教室に入ると、みんながキャー不審者などと叫んで、先生の周りに集まった。
先生も焦ったように、「ふ、不審者だ。ひゃ、110番に電話するぞ。」と言ってきて、僕が教室から出て逃げようとすると、鍵が閉
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