『声』
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翌日、いつもの様に始発のフェリーで行く。
玄関開けたら茉莉花先輩が立ってた。
ビックリした。
目が虚ろじゃ無い。
零はビックリし過ぎて声が出んかった。
代わりに涙が出た。
茉莉花先輩の口がパクパク。
声は出んかった。
一緒にベッドに行く。
おかゆを作った。
全部食べてくれた。
少しニッコリして『おかわり』って、かすれた声で言ってくれた。
嬉し過ぎて涙ボロボロ。
零の事チャント解ってくれたんかな?
久々に声が聞けた。
ぎこちない笑顔が見れた。
優しいままの茉莉花先輩。
安心してチカラ抜けてしまった。
おかわりを口に運ぼうとしたら、細く白い震える手が伸びてきた。
『自分で』と言うように...。
零は見守った。
そしたら、零の口に運んできてる。
零は『食べれん』のが当たり前の状態やから...
零の口に、おかゆが入った。
其れを見た茉莉花先輩は笑った。
初めて逢った時と同じ様に眩しい笑顔。
頬が削げてるのが痛々しかった。
スプーンを取り返し、茉莉花先輩にシッカリ食べて貰う。
おかわり全部、食べてくれた。
少し口を開いた。
喋った。
『零、昨日の...無いよ』
置き手紙を指さして言う。
『えっ!読んでたん?』
躊躇しつつ頷いた。
『いつ頃から?』
『...3日前』
『そっか、ありがとぉっ♪』
子供みたいに泣き出した茉莉花先輩。
ありがとぉって何回も言う。
『感謝してるん零の方やし。茉莉花先輩に出逢って無かったら今の零は居らなんだ...』
泣き続ける茉莉花先輩に問い掛けた。
『これから、どぉするん?』
『愛花は悪くないんや...でも、あいつは許さん』
『...ごめん、零は恋愛とか解らんけど、彼氏には強い信頼があったからこそ許せれんってこと?』
『うん、あいつはもぉ無理。私の仲間とヤるとか有り得ん。愛花は悪くない。仲間や』
『...うん...?
声、だいぶ戻ったね』
『零、あんたのおかげや。おいで』
更に近付くと、チカラ無く抱き締めてくれた。
零は、優しく、愛を込めて...
抱き締め返した。
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