第3章 リーザス陥落
第77話 ホッホ峡の決戦Y
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K式黒色破壊光線を撃ち放ち、着弾した箇所から 凄まじい黒煙が立ち登っていた。
黒煙に覆われてしまった為、目視する事が出来なくなった。……が、完璧な手応えを感じたのはガーネットだ。
「っし!! アレじゃ、絶対に無理だろ! みたかーーっ! 僕の力をっっ!!」
胸を張りながらそう言うガーネットに冷やかな視線を送るのはトパーズだ。
「やーっぱ、なっさけないじゃん。こんな離れたトコから、それも最大級の魔法撃って、それで誇るなんてネ。やっすいな〜。直接負けた癖に」
「むむッ!! この作戦はアイゼル様からだろっ! それに、トパーズはアイツと戦ってないから、そんな事が言えるんだ! それに……」
からかわれたガーネット。だからムキになって言い返す、それだけの筈だったのだが、明らかに表情が激変した。それは、先ほどまでのモノではない。心底安堵している表情と、やられた時の恐怖心がごちゃ混ぜになり、上手く感情を表情に出されていない様だ。
ただ、判る事は1つだけ。
「アイツ、アイツには近づいたら駄目なんだよっ! 殺れる時に、殺らないと……、こっちが……」
魔人の使徒である故に、普通の人間よりは圧倒的に力を持つ。
なのに、そのガーネットが此処まで言う相手だ。トパーズも嫌味を続けて言おうとしたのだが、口を噤んだ。
「止めなさい。一先ず、ルック。そして エネミースキャンです。まだ クラッシュ仕切れてないかもしれないですから」
そこに割ってはいる様に、提案をするのはサファイアだ。
彼女も人間と戦い そして 二度までも敗れている。だからこそ、ガーネットの気持ちが良く判るのだ。だが、トパーズだけは楽観視していた。
「なーに言ってんのよ。黒色破壊光線なんだよ? あれ喰らって生きてられる人間……なん………て?」
人差し指と親指で円を作り、そして 遠視をしていたトパーズ。楽観視していたその表情は、途端に青ざめることになった。
その理由はたった1つだ。
黒煙が、このホッホ峡に時折吹き抜ける風により飛ばされ そして晴れた。 そこには必ず黒色破壊光線によって出来上がった大穴が出来ている筈だった。そして、恐らく先ほどの人間は原形をとどめていないだろうとも思えていた。
筈、だったんだ。
「アンビリー……バボ………」
サファイアも、トパーズに続く形で遠視をして、それを確認し、驚愕していた。
「な、何馬鹿な顔してんだよ! あの魔法を受けて、無事、無事なわけ、無いんだっ!! ぼ、僕は当てた! 命中させたんだっっ!!」
そう、否定はするものの、その先で何が起きているのか、もう既に判っている。何処かでガーネット
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