第3章 リーザス陥落
第77話 ホッホ峡の決戦Y
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動に取る事は、判っていた筈だった。……負傷した事を見抜かれた時点で、考えるべきだった。
「……志津香は、あの使徒達がいる所に行ったのか?」
「うん……っ。わ、私 止められなくて……、志津香の想いも知ってる、から……。ユーリさんの事も、2人の事、知ってるから……」
マリアは、涙目になりながらそう言う。
それを見たユーリは、軽く笑った。
「判ってるよ。志津香は、オレに任せろ。……志津香は魔法使いなんだ。前衛は必要だろ? ここを、任せられるか?」
「う、うんっ! あの魔法も止んだみたいだし! これなら、私たちだけでも十分! だから、ユーリさんは、 志津香の事、お願い!」
「ああ。あの黒色破壊光線は、撃つ前に 3種の色を放つ。見極めろ。暗闇だからこそ、見る事が出来る事はあるんだ」
「うんっ! 私も双眼鏡でちょこちょこ見てたから、大丈夫! それに、それに……、心強い援軍も、来てくれたから!」
マリアが振り向いた先には。
「ユーリー! きたおーーっ! アスカに任せるおーっ!!」
「お待たせしました。バレス将軍……、バレス殿からの伝令で来ました。何やら魔法攻撃を受けてると思われると。……大丈夫ですか!」
アスカとメルフェイスの2人。
紫の軍、魔法部隊のトップ2だ。
「ははは。バレスの采配には頭が下がる。実に的確だ」
このタイミングで、増援をよこした。それもバレスがいる場所を考えたら、かなりの遠間で、戦況を把握する事は著しく困難の筈だったのだが、豊富な知識と老獪な処世術が、この場に功を成した。
「マリア、さっきの説明を2人にしてくれ! 2人がいてくれれば、幾ら黒色破壊光線であっても、感知や防護も問題ないだろ? 頼りにしてる!」
「う、うんっ! 任せて。だから 志津香を……!」
「ああ、そっちは任せろ!」
ユーリはそう言うと、アスカとメルフェイスに軽く話をすると、直ぐに向かっていった。
「ユーリは、何処でも忙しいお。……そして、とーっても、頼りになるおー!」
「そう、ですね。……そして、期待に答えないといけませんよ。アスカっ!」
「勿論だおー! 魔法なら、負けないおー!」
歳は明らかにおかしいが、祖父の力と本人の才能が合わさって、リーザス軍一の才能を誇るアスカ。そして それに次ぐ魔力の持ち主であり、難がある秘薬を使用しているのだが、それが魔法ブーストとなって、強大な力を持つ事が出来たメルフェイス。
2人は、最大の魔力を使って、チューリップ3号や、この場周辺に魔法バリアを付与しながら、最大限に注意をし、進行を続けるのだった。
志津香は、戦場を走り続けた。
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