第3章 リーザス陥落
第77話 ホッホ峡の決戦Y
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下で 対処できるのはユーリだけなのだ。圧倒的にリーザス側には魔法兵が少ない。
紫の軍は魔法使いで構成されているが、現在は ランやトマト、ミリ達の部隊に満遍なく配置させており、強大な火力を誇るメルフェイスやアスカは エクスの部隊、後方からの火力部隊として配置している。配置が甘かったと言えばそれまでだが、数で劣るこちら側にとっては最善の策だ。身体のサイズが大きく、タフなヘルマンの兵士を打ち破るのに魔法の力はやはり必要だ。
だからこその配置だった。……ただ唯一の不安材料が《魔人》の存在だった。
だが、それも 戦争をしていくのなら、必ずぶつかる相手だ。
遅いか、早いか、そのどちらかのみ。
「だからこそ、その一戦一戦をただ……」
ユーリは、再び飛んでくる魔法を目で捕えると、吠えた。
「全力でやるだけだ!」
怒号と共に放たれた居合の一閃は、黒色破壊光線を完全に切り裂き、勢いはまだ留まらず、飛ぶ斬撃となって その根源の元へと迫っていく。
だが、その斬撃は岩場に直撃し、届く事はなかったが 岩場を削り取り、その下に待機していたヘルマン兵達を押しつぶしていた。使徒達の魔法に頼りきり 高みの見物を決め込んでいた者達は、何が起きたのかさえ判らずに、潰されたのだ。如何にヘルマン最強の3軍とはいえ、その全てが優秀とはいかない様だ。
だが、冷静さを失ってしまうのは、使徒の3人組とて例外ではなかった。
再三の黒色破壊光線が斬られたのだから、それも仕方が無いことだといえばそうだろう。
「び、ビースト……」
サファイアは、信じられないようなモノを見て、唖然し。
「な、なんなんだよー……、アイツ、アイツは……!! やっぱり、ただの反則だっ! チートだぁぁぁっ!!」
その恐怖を知っているからこそ、怒りを無理矢理に向けて、叫びを上げる事で、その恐怖を賢明にかき消そうと、忘れようとさせるガーネット。
「所詮、人間……なんて、言、えないわよ。あれは……。わ、わたしが アイゼル様に、任された、っていうのに……」
主に絶対の忠誠、愛さえ感じている故に、任された仕事をこなせないトパーズは、泣きベソをかいていた。
あの相手には、何度撃った所で、斬られてしまう。ただ悪戯に魔力を消費するだけだと判断したのも当然の成り行きだった。そして 何よりももう、八方塞がりだと言う事も理解出来た。
黒色破壊光線が、あの戦車を破壊する為には必要不可欠。だが、それはあの妙な男のせいで、防がれてしまう。斬られてしまう。故に 戦車の進行を止める事が出来ない。
任されたと言うのに、果たせない事実が、彼女達の心を苛んでいた。
「ぐっ……、こ、こ
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