第3章 リーザス陥落
第77話 ホッホ峡の決戦Y
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いていないこの場所で、はっきりと見る事が出来た。
「ゆぅ!」
「馬鹿、出てくるな志津香。まだ3発目だ! 狙われる可能性も高いし、余波の威力も高い! この正面はオレに任せて、万が一の側面からの敵に注意をしてくれ!」
こちら側に来ようとしている志津香を手で牽制したユーリ。
それは、有無を言わせない迫力もあった。……が、志津香を止める為には 迫力だけでは決して足りない。志津香がユーリ自身の傷に気づいた事に、ユーリも気づいた。そして、志津香の性格上 危険な事をさせ続けるなんて事はさせない、させたくないと思うだろう。
彼女の心の強さはこの解放軍の中でもトップクラスなのだから。
だからこそ、ユーリは 理由をも込めたのだ。
黒色破壊光線が飛んでくる正面を派手に抑えている以上、その派手さから、側面が死角になりやすい。大きな魔法を使ってくるのであれば、尚更紛れて攻撃してくる可能性が高い。
だから、そこを志津香に任せたのだ。小回りの効かないチューリップ3号を、そして マリア達をしっかりとフォローしてくれ、と。
「っ……!」
志津香は、唇を噛み締めた。ユーリが言おうとしている意味を、そして その意味に込められた本当の意味も判ったから。
ユーリは、また 自分が背負おとしている。
危険を一手に引き受けて。極めて危険な事を率先している。幾らそれが一番の方法だとしても、到底納得なんてできるものじゃない。……心情的にはそうだ。今はそれしかないのは判っている。
自分自身の最強の魔法をあの魔法にぶつけた所で、飲み込まれて終わってしまうだろう。……それに、見えない位置から飛んでくる魔法をタイミングよく打ち落とすなんて芸当は無理だったから。
――……ユーリの背中を守ると決めていた筈なのに……。
「志津香……」
そんな時だ
そんな志津香の心境を悟っているかの様にユーリは振り向かずに声をかけた。
「ここは任せろ。……そして、任せたぞ。……皆を守ってくれ」
振り向いてはいない。だけど、その顔は笑っている事に志津香も気づいた。
そして、そうこうしている間に、あの破壊魔法が再び飛来してきたのだった。
間髪入れずに、ユーリは その凶悪な魔法を一刀両断にする。
傍から見れば鮮やかな業、いや 最早 人間の業ではなく、神業、神技だと言えるだろう。魔法の常識では遠距離からの大火力を 防ぐのは戦士には、不可能だとされている。魔法処理を施した防具の装備や 同じ魔法使いの防御の魔法、或いは攻撃魔法で相殺する以外には。
それを覆す者がいるのだから、場が沸くのも無理は無いことだった。
そして、背後には守らなければならない。……この状況
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