第3章 リーザス陥落
第77話 ホッホ峡の決戦Y
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と言うには急だが、手がかりも多く、登る事には不都合はなさそうだった。
「よっしゃ、登るぞ! 魔法使いなんぞ、近づいて ちょこっとつつけば楽勝だ!」
「……行くわ。これ以上、好き勝手にさせない」
「うん。僕も……、全力で、やる!」
かなみもメナドも 力がいつも以上に篭る。上に居る相手は強敵だと言う事は判る。 だが、それでも引けない理由はある。この上の連中が、何に向かって撃っているのか、誰が居る所に撃っているのか、判っているから。
それが、本当に……彼に向かって撃っている事を知れば、更に力が増しかねない程、集中させていた。
そして、身軽にも ひょいひょいとこの険しい斜面を登っていく。
「ほら、シィルも掴まれ」
「はぁ、ふぅ……、あ、す、すみません……」
フェリスも、息も切れ切れなシィルに手を貸すが、そこはランスだ。
「おいこら、いつまでも楽ばかりしてるんじゃない」
クレームを付けるのは日常茶飯事。だが、シィルも全てをフェリスに頼っている訳ではない。ここまでは、自分の脚で走ってきたのだから。
「は、はいっ……ふぇ、フェリスさん。すこし、すこし休めば、だいじょうぶ、ですからっ」
「……む」
いつになく、気合を見せたシィルを見て、思わずランスは口ごもった。
「……ランス。回復役はシィルだけなんだぞ。ここで 体力を消耗させたら」
「わかっておるわ。……へろっへろになりやがったら、このまま上に上がっても役立たずだ。そして、ちんたら、回復を待つ暇もない。ふん。フェリス。許してやるから、シィルを運んでやれ」
「だから私は最初から、そうしてるでしょ」
「うるさい。戦争に関係あることなのだ! 口答えするんじゃない!」
「はいはい」
フェリスは、呆れつつも シィルの事は気にかけているであろうランスを見て、変な所ですこしの優しさを向けるから、シィルが……と少なからず考えるのだった。
「呼吸くらいは整えておけよ。役に立たなかったら、お仕置きだ」
「は、はいっ」
そうして、一行は高台の上へと登り始めた。
上り詰めた所で、まだ意見がまとまっていないのだろうか、言い争いが続いていた。
「だから、アイゼル様を……!」
「……アイゼル様のオーダーをコンプリートしてこその私たちです。如何に、エネミーがパワフルでも……、ハートの限り……」
「うぅ……、それでも魔法を撃つにも限度ってものが…………」
アイゼルを呼ぶか、或いはまた延々と魔法を撃ち続けるかでもめている様だった。
そこに、彼女達にとっての悪夢が現れる。
「う、お………りゃあああああああ!!!!」
高台の上へと一気に上り詰めたのはランス
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