宇宙編
邂逅編
第18話 狭間2
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「艦長、お呼びでしょうか」
「来たか、少尉」
「少尉、ブラウビッシュというコロニーは知っているかね?」
「えぇ、レーモ7と月の間にある…」
「そうだ、そこにいるネオジオンの役人に、ある資料を送って欲しい」
艦長が黒いケースを見せた。
「これは…今後の作戦配置図?」
「察しが良くて助かる。それを届けて欲しいのだが、頼めるか?」
「命令とあれば、いきます」
「すまんな、支援にシャドウハウンド隊をつける」
「ジャック中尉!」
黒く短い髪の優しげな顔。
「おお、フーバー!どうした?」
シャドウハウンド隊、副隊長のジャック中尉だ。
「次の作戦お願いします」
「おう!あんまりMSは好きじゃないが、こいつは特別だ!」
親指でMSハンガーで整備中の彼の機体を指す。
AMXー102、ズサ。
「丸っこい感じがかわいいだろ?」
「かわいい…ですか」
俺には、ただのMSにしか見えない…
「だったら、俺のバウだってかっこいいっすよ!」
命を乗せて駆ける自分の愛機。孤独な宇宙で頼るのはこいつだけとなれば、自然と愛着も湧く。
「まぁ、今回お前さんがMSに乗ることはないだろうさ」
「そうですね…」
ラーディッシュ級艦内
「艦長!ブラウビッシュより緊急入電です!回線回します!」
「こちら、コロニー防衛隊隊長、ヒル・バロンであります!先程、武装集団がコロニーの一部を占拠!増援願います!」
「了解した、部隊を派遣する」
「MS隊発進準備!出せる機体だけでいい!」
「艦長、コロニー内で戦闘は…」
「わかっている、被害は最小限にだ。」
「出撃だって?」
「コロニーの鎮圧だとよ」
「ったく、俺らは便利屋じゃねえんだぜ」
空気が悪いMSデッキ。
劣悪な環境といつ死ぬかもわからない戦場では、兵士間の信頼、友情は強固なものとなる。
「1番MSデッキ、ヘッジホッグ出せます!」
「2番デッキからも、ジムIII出撃できます!」
各班から、様々な情報が流れていく。
「よし、わかっていると思うが、犠牲はなるべく出すなよ!全機発進!」
「ヘッジホッグ、発進よろし?」
「発進よろし、行けます!」
モニターに映し出されたGOの青文字。
カタパルトによる背後からの力を感じると同時に、フットペダルを踏み込む。
より強いGが体をシートに押し付ける。
「ルシオン・スタフィ行きます!」
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