月下に咲く薔薇 24.
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に至るまで。
『やっぱり芽が出たのか…』意志の力でようやく言葉を紡いだのは、ロックオンが最初だった。
「俺がアイムのスフィアを拒んだら、短時間でこの有様さ。季節外れのハロウィンな見た目だが、眼球と直接繋がっちゃいないんだ。安心してくれ。俺自身は無傷だし、最初からアリエティス捕獲用のトラップだったのかもしれねぇ」
満面の笑みを拵え肉体のダメージが皆無な事を伝えると、皆の顔が僅かに綻んだ。
ロックオンもその1人だ。
『今、バトルキャンプの上空に、ぐしゃぐしゃに絡みあったバラの塊が浮いてる。ちょうどアリエティスが静止していた場所だ』
『デュナメスとヨーコのガンメンがそいつにライフル弾をぶちこんだら、大穴が開いた。ダイターン3がようやく通れる程のサイズでな』万丈まで来てくれたのか、ヘルメットを被った勇ましい顔が気遣わしげな様子で映っている。『ここに突入したのは、デュナメス、オーガス、ナイキック、∀ガンダム、そしてダイターン3の5機だ。今、扉は閉じている。もし、この状況を内部だけで打破するなら、僕達とアリエティスの力全てを駆使するしかない』
なるほど、とクロウの中で合点がゆく。
「扉を開けたのはお前か? アイム」
『いえ…』と声の主は否定したが、それは嘘のような気がした。
『クロウ。アリエティスと一緒なのですか?』
「ああ。俺からは見えないんだが、とっ捕まっているのは確かだ。飯にされかれて抵抗している最中なんだろ。呼びかけても、反応が弱い」
『ははぁ。攻防が凄すぎて余裕がないのか』
「らしい。迂闊に近づくなよ」桂の話を肯定しつつ、クロウは昨夜のライノダモンもどきを思い起こす。「もし凍結ファイヤーでも仕掛けられたら厄介だ」
『どうだろう。その心配は必要ないかもしれない』と言いつつ、アテナが送信映像を切り替える。
5分割部分に収まっているアテナの顔が、小さな遠景画像に切り替わった。
クロウは、それを全画面に拡大する。
植物塊の全容がわかる遠景だ。これが根拠か。
白濁色の空間で、濃緑に染まった歪な楕円形が直立している。最も太い場所からは、内側から漏れる赤い光に染まっていた。
直上には大きな茎の束が長く伸び、更にその上でもう1つの塊を作っていたらしい。
その塊は、今正にほどけて形を失うところだった。するすると編み目を解除すると下の楕円形に吸い込まれるように戻ってゆく。
同時に、クロウの囲みが幾らか厚くなった。
映像を見る限り、次元獣の形には程遠い。アイムだけでなく怪植物の方にも余裕がない為、攻撃形態をとる事ができないのだろうか。
『その通りです、クロウ・ブルースト。現状ならば、Dフォルトは発生しても、ライノダモンと、同様の攻撃を、行う事はできません』
昏倒寸前といった虚言家の声が突然割り込んで、クロウ達を
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