月下に咲く薔薇 24.
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らない。今死なれても食い尽くされても困るのだ。
もし、ここが通常空間と繋がりやすい場所ならば、対策をZEXISに委ねる事もできるのに。
ソレスタルビーイングのMS、ダンクーガノヴァ、グレンラガンにダイターン3…。ZEXISとZEUTHに所属するロボットたちの勇姿が次々とクロウの脳裏を掠めてゆく。
「アイム!! どうにかして、ここをバトルキャンプ上空に繋げろ!! 俺達だけじゃどうにもならねぇ」
『誰の力を、借り…』
虚言家の声が、半ばでかき消される。
衝撃音が1度。そして間を置いて更に2度起きた後、横殴りに起きた空気の振動が茎製の籠を僅かに揺さぶった。
直後に、携帯端末が音を立てる。
スイッチを1つ押すと、告知音がロックオンの声に代わる。
『クロウ!! そこにいるのか!?』
逡巡の後、クロウは音声のみによる会話を選んだ。
『どこにいるんですか? クロウ!』
ZEUTHのガンダム・パイロット、ロランの声も加わった。デュナメスだけでなく、∀ガンダムも赤い異世界に突入している。
『これで、同じ空間に来る事ができたのか?』
更に続く自問の声を、クロウは女性のものと受け止めた。少年のような口調だが、子供のものと聞き取るには低すぎる。しかも、つい先程ダイグレンの中で聞いたばかりの声質だ。
『離れるな、アテナ! 敵の目があるんだぞ!』
もう一つ若い男の声がし、保護者然とアテナに警告を発する。
自然とクロウの口端が上がった。最早、桂以外の誰が考えられよう。
しかし、何故この顔ぶれになるのか。
ダイグレンの中で「桂の側を離れるな」とクロウ達が念押ししたのは、2本目の花を贈られた女性に様々な場面での自重を促す為だった。それを理解している筈なのに、わざわざ望んでアイムの世界に突入するなど。親の心中は察して余りあるものがある。
尤もアテナの身になれば、居ても立ってもいられなかったというところなのかもしれない。ミシェル同様、彼女もまたバラを贈られながらも事なきを得ている人間だ。自分が助かっている現状に自責の念を抱き、率先して異常な状況へと首を突っ込み何かを掴もうとしている。
「俺は無事だ。…今から、少しばかりショッキングな映像を送る。目を回さないでくれ」
そう断った後、クロウは携帯端末を映像付き会話モードに切り替え自身の顔に向けた。
端末の画面が発光し、5つに分割される。映っているのは、ZEXIS1人、ZEUTH4人から成る突入部隊の顔だ。
全員が、一斉に目尻を歪める。
さもありなん。クロウの携帯端末から送り出されているのは、画面の右半分を占める怪しげな発芽の様子とクロウの顔のセットなのだから。
それを見ただけで、全員が異変の正体を正確に理解する事ができるだろう。怪植物の出現理由からクロウとの関係
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