第4話 あしらわれる武神
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で来ました」
『士郎ちゃん!?わ、わかったわ、ちょっと待っててね』
そこでインターホンから声が引っ込んでいったので、士郎は振り返る。
「――――って事で、暫く時間かかるから待ってくれなくていいぞ?」
「解りました」
「いくよ、義姉さん。それとも帰る?」
「私のミルクチョコレートケーキがぁああああああああ!?」
キャップを先頭に、京と大和に引きずられながら百代は女々しい言葉を発したまま島津寮に入って行った。
彼らと入れ替わる様に、島津家から島津麗子が出て来た。
「お久しぶりです、麗子さん」
「士郎ちゃん!また見ない間に男前が上がっちゃって!」
「そうですかね?こういうのは誰かに言われないと分からないモノですけど。それにしても、麗子さんも相変わらず元気そうで何よりです」
こういうモノは、基本建前だろうが相手を褒めるところから始まるモノだが、この2人の言葉は建前では無かった。
「ささ、こんな処で立ち話も何だから、家で話しましょうよ!」
そうして士郎は久しぶりに、島津麗子との談話を楽しんだ。
−Interlude−
「早かったね士郎さん」
島津麗子への挨拶を終えた士郎が寮に入ると、京が居た。
「待ってたのか・・・って、そんなわけないか」
「うん、私もそんなに暇じゃないし。着替え終わったしリビングに行こうとしたら、たまたま遭っただけだよ」
「なら2階に上がる許可をくれ。前に京が話してくれた通り、女性の了解がいるんだろ?」
京はたまに、士郎に自分の身の回りの事などについて話すので、聞いていたのだ。
「いいですけど・・・・・・もしかして新しくやってきた1年生の娘が目的なの?」
「ああ。新入生のご両親とは知り合いでな。家は北陸に在って距離があるから心配なんだろう。ちょこっと様子を見に言って欲しいと頼まれたんだ」
「いいけど多分、今も練習中だよ?」
京の言っていることがよく解らなかった士郎は、取りあえず了解も貰ったので上に上がる事にした。
そして2階に上がり、気配で探して襖の前に来ると中から人の声が聞こえて来た。
襖が僅かに開いていたので見たくなくても士郎の視力がそれを見せてしまうと言う、悪循環ではあるが結果的にも中を覗き見た。
中にはお目当ての人物、剣聖黛十一段の長女である黛由紀恵が色鮮やかな馬のストラップを片手にとって、動かしながら一人でぶつぶつと喋っていた。
「・・・・・・・・・・・・腹話術?京の言ってた練習って、これの事だったのか?」
何やら真剣に取り組んでいるように見えた士郎は、声を掛けるなんて気が引けると思い、その場を後にして下りて行った。
取りあえずこれで用事は一応終わ
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