第15話 三人の絆
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シエルとゼロがいた。
「転送終了しました」
「ただいま、みんな…聞いてくれる?」
ノトスの森、そして遺跡で得た情報やエルピスの状況を教えるルイン。
「……ダークエルフ…封印を解く鍵…強大な力…エルピスが何をするつもりなのか…分からないけど…力でこの世界を平和にしようなんて…間違っているわ。お願い、ルイン、ゼロ…彼を止めて!」
「分かってるよ。ただそれにはベビーエルフを破壊しないと…エルピスはベビーエルフに頭を乗っ取られてる…ゼロ、これ…ヘケロットのDNAデータ。解析しといて」
ゼロに回収したヘケロットのDNAデータを渡し、エックスが治してくれたから大丈夫とは思うが、一応後でメンテナンスルームに行こう。
「次はゼロの番だよ。行けるよね?」
「問題ない」
残された場所は南極のコンピュータ施設、クリスタルの洞窟、輸送機工場の三つで、ゼロが指定したのはかつての作戦で向かったコンピュータ施設だった。
「以前、ゼロが破壊してくれた南極にあるネオ・アルカディアのコンピュータ施設ね…エルピスはまだ破壊されていないコンピュータからネオ・アルカディアに入るためのパスコードを引き出そうと考えているらしいんだけど…彼、一人でネオ・アルカディアに乗り込むつもりなのかしら…ゼロ…行ってみる?」
「ああ、転送を頼む」
「あ、ちょっと待って」
転送を少し待ってもらい、ルインはゼロに歩み寄る。
「何だ?」
「ノトスの遺跡でエックスに聞いたよ…昔、私が機能停止してた時、仕事の暇を見つけては私のお見舞いに来てくれたんだって?」
「……思い出せん」
記憶喪失もあって、その時のことは一切覚えていない。
「良いよ覚えてなくても、でも伝えたいんだ…ありがとう。そして今更だけどごめんね…あの時の私は、残される側の人のことを考えてなかった。無茶はするかもだけど、もうあの時のように自分を犠牲にしたりはしないよ。だからゼロも帰ってきてね。シエルやみんなのためにも」
「………ああ」
「ごめんね引き止めちゃって…行ってらっしゃい」
「ミッション発令…各員転送準備にかかれ。」
「転送準備完了…転送!」
転送の光にゼロが包み込まれ、再び南極のコンピュータ施設に転送された。
「気をつけて…ゼロ」
ゼロの身を案じるシエル。
ルインはゼロなら大丈夫だと信じて、念のためにメンテナンスルームに向かうのだった。
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