account 3 チート野郎
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泣き叫ぶ妹の声を訊いて、圭は 心を痛めた。
親がいなくなってから、もう二度と……妹を悲しませたくない。泣かせたくない、と誓った筈なのに。
「ことみは、悪く、ないよ…… でも、ちかったんだからっ。……かならず、ことみのこと、まもるって。……ひどかった あいつらに見返してやる、って。ちかったんだから……っ」
『っっっ!! い、いやぁっ、ぜったい、ぜったい いやっ!!』
「……ごめん。ほんとうにごめん。こんな兄で。……何も、のこせなくて……。あのとき、ことみにおしえてもらってなかったら、こんな事には、ならなかったのに……」
周りではどんどん人が死んでいく。次は自分か、自分の順番か? と恐怖し泣き叫ぶ悲鳴だけが響く。
そんな中で、あのマーブルの陽気な声が、なぜか、聞こえて来た。
「あらあらあらあらあらあら〜〜〜〜〜?? 友達や恋人だけじゃなく、家族まで見捨てられる人がたくさんいますね〜〜〜〜〜??? おっかしいですね〜〜〜〜??? ふへへへへへへへ!! 所詮、人間なんてそんなもんなんですよ。上辺ばかりの付き合い! 金目的? 体目的? 或いは見栄だったり?? 人間って、な〜〜んて薄っぺらなんでしょうかね〜〜〜〜」
まるで、BGMの様に、悲鳴と一緒に聞こえてくる。
「ごめん………」
そして、とうとう圭は設定を見つけた。後は OKボタンを押すだけで終わる。全てが……終わる。
『やめて、やめてぇぇぇ!! お、お願い!!!! おにいちゃん、おにいちゃんっっ!!! だれか、だれか…… たすけてぇっっっ!!』
「……さようなら。ことみ――いままで」
――ありがとう。
ボタンに指先を触れようとしたその瞬間。
世界が真っ白に染まった。
『ほら、言っただろ? 世界は激変するって。……ほらほら、オレの話 間違っちゃなかっただろうに』
あの声が、また聞こえて来た。
もう、随分と昔の様な気がする。白昼夢。幻聴。……心の弱さが呼び起こしたものだと想っていたものが。
『保留にしてた奴だが、どうする? もう、選択の余地は無いと思うんだがなぁ』
「っ…… 妹は、ことみ、だけは……」
『言っただろ? お前らは運がいいって。オレは楽しむ為に、ここにいるんだ。……ゲームを楽しむ為になぁ? その媒体を殺す訳ないだろ? 楽しめなくなっちまう。故に、お前は死なない。……んでもって、お前の大切な、妹もな?』
信じられないとまだ何処かで思ってる。
だけど、今のままでは 何も変わらない。ただ、死ぬだけだ。どうせ、死ぬのなら……。
「お願い……っ キミと、一緒に行
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