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リアルアカウント 〜another story〜
account 3 チート野郎
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丈夫ですよ〜〜〜〜〜」

 両手で、ハートの形を作り出したマーブルは、にこやかに、高らかに言った。


「フォロアー同士のキズナ♪ 見せつけちゃって下さいね? そ・れ・で・は――」



『カウント、スタ〜〜トォ〜〜〜〜〜!!』



 場の混乱は最高潮だった。



 フォロアーの数を自慢していた者もたくさんいただろう。そして、フォロアーを増やそうとした者も、たくさん……いただろう。

 だが、それを仲間だと勘違いした者達が多すぎた。


 例え、1000いても、2000いても…… 所詮は 《他人》だから。 ネットだけの繋がりだから……。


 どんどん、其々のフォロアー達は減っていく。

 止められない。浴槽に水をいっぱいにはったが、まるで栓を抜いた様に 見る見る内に 無くなっていく。そして、血で周囲が濡れていく。

『うわあああああ! み、見捨てないでくれぇぇぇ!!』
『た、助けて、お願いっっ!!』
『し、死にたくない、死にたくないっ……!!』

 減っていくのは止められない。

「アイツと一緒に心中する気にはなれんわ」
「うわ、アイツも吸い込まれてる。バカみたいにしてたからだよな。正直引くわw」
「ごめん。……マジ、ごめん」

 外していくのも、止められない。

 ごめんと謝罪する者はいるが、それでも 止まらなかった。たったワンクリックで助かるのだから。自分の命と他人の命を計ったら、傾くのはどちらなのかは決まっているだろう。






 

 圭は、今までの事を思い返していた。まるで死の間際に見るとされている、走馬灯の様に。

 これを(・・・)見なければ、きっと圭も 周りの人達と同様に、泣き叫んで、妹の琴美に助けてくれ、と縋っていただろう。

 どれだけ、情けなくても、きっと。

 だけど、今は違った。
 震える身体を必死に抑えながら、伝えようとした。


「………」
『お、お兄ちゃん……、わ、わたし、 わたし……っ』
「最後、最後の、頼み……だよ。ことみ」


 圭は、周りに飛び散る返り血で身体を血に染めながら、それでも必死に勇気を振り絞って、話を続ける。

「こちら側から……、オレから、ことみの、登録を、無かった事にする……って、できる、よね……? どう、するの……」
『っっ!!!』

 圭が妹の琴美に聴くのは、フォロアーのブロックの方法だ。その設定をすれば……、否応なく外す事が出来て、もう設定をし続けてる限り、フォローをする事が出来ないのだ。

『なん、なんで? わ、わたし……、こ、ことばにつまった、だけで、……ぜ、ぜったい ぜったいにはずさないっ!! お兄ちゃんを死なせたりしないっっ!!』


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