4部分:第四章
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で大講堂の扉を思わせるような重厚な造りの扉がそこにあった。
その扉を前にしてだ。また菖蒲が薫に言ってきた。
「この中よ」
「この中?」
「そうよ、この中よ」
そこだというのである。
「この中に入ればね」
「何があるの?」
「最高の快楽があるのよ」
今の言葉はだ。とても菖蒲の言葉とは思えなかった。不気味なまでに艶のある、そんな声だったのだ。
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