マブラヴ
1205話
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『アクセルさん!? 無事だったんですね! あんな風に消えられたので、一体どうしたのかと思ってたのですが……本当に良かったです』
映像モニタに映し出された恭子が、驚きと同時に喜びの表情を浮かべながら告げる。
実働班でのやり取りの後、次に俺がやって来たのは通信室。
そこでまずはマブラヴ世界でシャドウミラーの窓口となっているオーストラリアに連絡し、いきなり俺の姿を見た通信の担当者に驚かれ、大統領にも驚かれつつ無事の報告を終える。
その次に連絡を取ったのが日本だった。
夕呼や崇継に連絡しても良かったのだが、俺がFate世界に転移した時に俺と通信していたのは恭子だ。
勿論恭子に俺が転移した責任なんてものは一切ない。
理由はどうあれ、あのネックレスを拾ったのは俺自身だったんだし、寧ろあのネックレスを拾った者が転移したのだとしたら、それが俺で良かったと思う。
実際、シャドウミラーのメンバーだとエヴァやフェイトといった者達以外では聖杯戦争に勝ち残るのは難しかっただろうし。
そう考えれば、恭子は褒められこそすれ咎められる事は一切ない。
「心配を掛けたみたいだな。この通り無事だから、安心してくれ。昨日帰ってきたんだが、色々と顔を出す場所が多くてな。連絡をするのが遅くなった」
『そんなっ! そんな事ありません! でも……本当に無事で良かったです』
余程自分の責任を感じていたのか、薄らと目に涙を滲ませる恭子。
これは相当……俺の予想以上に自分を責めてるな。
しょうがない。ちょっと励ます意味でも一肌脱ぐか。
「本当に気にする必要はない。そもそも俺が転移したのは恭子のせいじゃないが、もし本当に恭子が理由だとしたら、俺はお前に感謝すらしないといけない」
そう告げ、空間倉庫からゲイ・ボルクを取り出す。
いきなり俺の手に現れた真っ赤な槍に、恭子は画面の向こうで目を見開く。
見せるのはルールブレイカーでも良かったんだが、槍と短剣だと見た目の迫力が違うんだよな。
しかもルールブレイカーの場合は刃が奇妙に捻じ曲がっているせいで、凄いというよりは違和感の方が強いし。
『それは……?』
「ゲイ・ボルク。……と言えば分かるか?」
『は? それはその、アイルランドの神話に出てくる……?』
「ああ。俺があの時に向かった世界は、魔法……向こうでは魔術だったが、ともあれ魔法のある世界だった。その中で、過去の英霊を召喚して戦うという儀式があったんだよ。で、クー・フーリンから譲られたのがこのゲイ・ボルクだ。俺が使いこなせるのはこれの他にはもう1つしかないが、使いこなせいまでも色々と入手出来ている。俺自身も以前よりも強くなってるし、総合的な収支はプラスなんだよ」
その言葉に、恭子は再度驚きの表情を浮かべた。
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