暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
106話:機動六課防衛戦線(後編)
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ガジェットと戦い、流石に疲労が溜まってきていたシャマルが、士の名を叫ぶ。
煙が晴れるとそこには、傷だらけの体で、立っているのがやっとという雰囲気でいる―――ディケイドの姿があった。
「が…ぁ……」
低い呻き声を出し、それでも立ち続ける士。対し、ダークディケイドは再びゆっくりと―――剣を向ける。
どうやら、士に止めを刺すつもりらしい。それを察したシャマルは「ダメ!」と叫ぶが、ガジェットの攻撃が邪魔をする。
誰も止めるものはいない。剣の間合いに入り、剣を振り上げる。
視認はしている、これから起こるであろうことも。回避するべき、だが体が動かない。自分の意思に反し動かず、わずかに動いたとしても全身に激痛が走る。
そして遂に、ダークディケイドの握る剣が。灰色に染まる得物が。
「―――――」
「……………」
振りぬかれた。
―――あぁ、ちくしょう…また、負けるのか…
左肩から右脇腹へ、一直線に抜ける痛み。同時に足に力が入らなくなり、少しずつ、身体が仰向けに倒れていく。
視界に映るのは、暗い雲と炎で赤く染まる空。煙も立ち込めるそれが、段々とぼやけ始めてきた。
―――ちく、しょう…
意識が遠のいていき、士はそのまま地面に倒れた。
ディケイドの変身も解け、身体は大の字の形をとる。シャマルの叫び声も遠くに聞こえてくる。
―――く…そぉ…
そんな士の隣に、ダークディケイドが立つ。そして生きていることを確認すると、再び剣を構えた。その切っ先は、今度は倒れている士の首元へと向かっていた。
そのまま真っすぐに下せば、士の喉は簡単に剣で貫かれることだろう。そうなれば当然士は―――死ぬ。
―――……
手を伸ばすシャマル、今動けるのは彼女だけだ。
しかし、距離があり過ぎる。ここから何かやろうとしても、完全に―――
そして遂に、剣の柄にギュッと力が籠められる。少しばかり振り上げられ、そのまま―――
「―――ヴォルテェェェェェェェェェルッッ!!」
しかしその時、突如として少女の悲痛な叫び声が、大きく響き渡った。
それと同時に、海の近くに展開された魔法陣から巨大な―――何かが立ち上がった。
羽を持つそれは、大きな雄叫びを上げると、普通ではあり得ないような巨大な砲撃を放った。
そのたった一撃の攻撃は、空中を舞うガジェット―――だけでなく、地を這っていたガジェットをも、その余波で粉砕し一掃していく。
その光景に、その場にいた全員が驚愕で手を止めた。ダークディケイドも、その一人。
彼は士の喉に剣が突き刺さる寸前
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