暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
106話:機動六課防衛戦線(後編)
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 そしてその行き先は、今まさに急降下してきているタジャドル。


「なに…ッ!? ぐあ!?」
「うあッ!?」


 幸いシャウタはタジャドルの上半身とぶつかり、タジャドルの攻撃を受けてしまうのは避けられたが、当然二人は空中でバランスを崩し落下を始める。
 そこへ剣を構えるダークディケイド、その刀身は黒みがかった灰色で染まり巨大になっていた。

 なんとか体勢を立て直そうとする二人。だがその努力も空しく、回避もままならないまま灰色の一閃を受け吹き飛ばされたてしまう。
 それを見て撃破と判断したのか、ダークディケイドは振り返ろうとして―――自らに何者かの影が。

 雄叫びを上げて落下してくるタトバ。かぎ爪のように構えた手を突き出すが、身体を逸らすことで避けられてしまう。
 すぐさま反転、しかしそこへダークディケイドの剣が振り下ろされようとしていた。タトバは慌てて左手で弾き落とし、その流れで裏拳を放つ。

 だが渾身の一撃もいとも簡単に、片手だけで受け止められ、ギリギリと音がなる。かなりの力が入っているようだ。タトバも仮面の下で苦い表情を浮かべる。


「お前……いったい何者なんだ…!?」
「……………」
「チッ…やっぱり、だんまりかよ―――ぐッ…!」


 士の質問に、やはり沈黙を貫くダークディケイド。
 その間にも力が籠められ続け、遂にタトバはその痛みに声を上げる。

 一瞬できた隙。あまりにも短い間の筈なのに、その一瞬を見逃さない。
 拳を掴む手を捻り、タトバを投げ飛ばす。見事に一回転したタトバは勢いよく背中を打ち、呻き声を上げる。

 痛みで瞑っていた目を開けると、そこには銃口。
 驚きはするが、それを長い間感じている訳にもいかない。すぐさま転がることで放たれた銃弾を避ける。

 なんとか全ての銃弾を避けきったタトバ。すぐに立ち上がろうとするが―――


「「ぐああぁぁぁぁぁ!?」」
「―――ッ!」


 二つの悲鳴が響き渡る。
 その声が聞こえてきた方向を見ると、黄色と灰色の戦士がゆっくりと倒れていく光景が目に入った。

 二人と相対していたのは、戦闘機人のディードとオットー、そしてシアンの銃士―――ディエンド。
 どうやら脇にヴィヴィオを抱えつつも、戦闘機人二人の援護をしていたようだ。

 その事実に「く…ッ!」と声を漏らす。しかし意識をそちらに向けたのがいけなかったのか。ダークディケイドが攻撃の準備をしていることに気づくのが、一瞬だけ遅れた。
 すぐに剣を取り出し防御の体勢を取る。―――が、瞬間的に展開された弾幕に、剣による防御など容易に抜かれた。

 無数の火花が散り、悲鳴が響き渡る。周りからは煙が立ち込め、タトバの姿を覆い隠した。


「士くん
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