反撃の狼煙
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が始まった。
第三者side
「シリル・・・」
圧倒的なパワーを持つ強敵を相手に怯むことなく挑む小さな少年。それをクロッカスの街にセッティングされている魔水晶ビジョンを見上げて黒髪の青年と金髪の男は恥ずかしい気持ちになっていた。
「ったく。俺は何してんだよ」
グレイは頭を掻きながら兄弟子であるリオンに対しビビって縮こまっていた自分を責める。
「シリルが戦ってんのに、俺らが戦わねぇわけにはいかねぇだろ!!」
真っ直ぐに目の前の敵を見据えるグレイ。ようやく自分と対峙する気になった弟弟子を見てリオンは不敵に笑う。
「やっと戦う気になったか、グレイ」
「あぁ!!俺は絶対てめぇに勝つぜ!!リオン!!」
不安を振り払うように声を張り上げるグレイ。氷の造形魔導士対決が開始される。
「やれやれ・・・あいつもナツに影響されてきたみたいだな」
ラクサスは氷の神に「仲間のために戦う」と言った少年を見てある男と姿を重ねていた。桜髪をした、少年と同じ滅竜魔導士であるその男は、今は王国によって囚われの身になってしまった仲間を助けるために大会のメンバーを辞退してまで城へ乗り込んでいる。
「フーッ」
大きく息を吐き出すラクサス。自分たちが勝たねば、城に乗り込んだその男たちがどうなってしまうのかわかったものじゃない。そう思うと、相手が例え今大会最強だろうが、聖十の称号を持っていようが関係ない。
“挑む”それが今は大切なことなんだ。
「お主とは1度拳を交えてみたかった。かのマカロフ殿の―――」
「おっとその先は言うな」
視線を合わせる2人の男。ジュラがラクサスに対して言葉を発すると、それを彼は止めさせる。
「ここに立っているのは偉ぇ称号背負ったおっさんでも、誰かの孫でもねぇ」
ラクサスは羽織っていた上着を脱ぎ捨て、紫のワイシャツ一枚になる。
「ただの2匹の男だ」
「・・・よい目だ」
視線を反らすことなく自分を睨み付けるラクサスを見てジュラはどこか嬉しそうだ。
睨み合う2人に静かに風が吹き付け、服を揺らす。その風が止んだと同時に、金髪の男が猛スピードでアゴヒゲの男へと突進する。
「うおおっ!!」
雷をブースターに使い一瞬でトップスピードに入るラクサス。ジュラはその動きを見極めるために両手を体の前に合わせる。
「っおおおおおおおっ!!」
拳を掲げて先制攻撃を試みるラクサス。彼の拳がジュラの顔を捉えようとした刹那、
ドコォンッ
ジュラの手刀がラクサスの首もとを捉え、オ
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