反撃の狼煙
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れを今外したの?」
レオンの素朴な疑問。それも俺は正しいと思う。なぜこれから戦うに当たってヘアバンドを外したか。これにはちゃんと理由がある。
「このヘアバンドはウェンディが作ってくれたんだ。つまり俺の宝物。だから破られたりするわけにはいかないんだよね」
昨日までのバトルや競技パートでは相手もそこまで強いという感じはしなかった。だからこの大切な人がくれたプレゼントを身に付けて戦うことができた。
でも、今は厳しい気がする。レオンのこの力を見せられたら魔法を回避するのはギリギリになってしまう。それだとこのヘアバンドが切れてしまうかもしれない。ウェンディなら直してくれたり新しく作ってくれるかも知れないけど、それでもやっぱり初めてもらえたものだから。大切に使いたい気持ちがある。
「そういうものなんだ。よくわかんないや」
「そう?」
レオンならシェリアやラウルに何かもらえたら同じ気持ちになると思う。やっぱり2人はレオンにとって大切な人だと思うから。
「こういう時なんて言うんだったかな?」
「?」
何かをブツブツと言い顎に手を当てて頭を悩ませているレオン。何を考えてるんだ?
「あ!!そうだ!!」
レオンは手をポンと叩くと俺の方を指さす。
「“リア充は爆発しろ”だ!!」
「違う!!それ何か違う!!」
レオンのおかしな発言に思わず突っ込む。さっきの過去の話でもそうだったけどレオンはやっぱりどこかおかしいと思う。魔法を教えてくれた人の行動を見て真っ先に“厨二病”なんて単語が思い付くのはどこか変だ。普段の飄々とした佇まいがよりそのおかしい部分を際立たせてしまう。
「そうか。違うのか・・・」
俺に違うと言われてガッカリした様子のレオン。大丈夫なのか?こいつ。
「でも、そのヘアバンドを外したってことは前までの戦いよりも本気ってことなんだろ?」
「もちろん!!いつも以上に本気だよ!!」
いきなり冷静さを取り戻したレオンに一瞬驚いたけど、すぐさまそれに答える。当然だ、昨日までとは全然違う。全力も全力。ルーシィさんたちを助けにいったウェンディのために絶対に負けられないんだ。
「お前が例えどれだけ強くとも、俺は仲間たちのために絶対に負けない!!」
覚醒したレオンは強敵だ。パワーは三大竜の誰よりも上だと俺は思う。下手したらノーランやカミューニさんより強いかもしれない。
それでも俺は絶対に引かない。ウェンディのために、一緒に戦っているエルザさんやグレイさんたちのために、そして7年間俺たちを待ち続けていた皆さんのために。
「勝負だ!!レオン!!」
「うん!!絶対負けないからよ!!」
俺もレオンも笑みを浮かべ相手に向かって突進する。本日の大魔闘演舞、最も低い年齢の魔導士対決
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